気になってたGeneLife Genesisの遺伝子検査をやってみた。
以前のブログ記事にも書いたけど、自分の遺伝子を調べる事で
- 自分がどんな病気にかかりやすいか
- 「お酒の強さ」や「朝型 or 夜型」などの体質
等がわかるというサービス。
「遺伝子検査キットとは何?」って事については下記の記事が詳しい。
合わせて読みたい
遺伝子検査キットとは?サービスの選び方をバイオ研究者が解説!がん・薄毛の予防、ダイエットにも
自分の遺伝子を元にしてるって事で、本格的に生活習慣が改善できそうでいい感じだった。
ぼくのような健康オタクにはたまらない一品。
GeneLife Genesis・遺伝子検査キットの特徴
GeneLifeというのが会社名で、Genesisというのが遺伝子検査キットの商品名。
今はGenesis2.0が最新のキット名だ。
詳しくは過去に書いた遺伝子検査キットの比較記事を見てもらうとわかるが、GeneLifeのキットの特徴を簡単に挙げるとこんな感じ。
- 検査項目が360とダントツに多い(他のは280ぐらい)
- その割に値段が高くない
合わせて読みたい
自宅でできる遺伝子検査キットをバイオ研究者が徹底比較!ガン、薄毛予防、美容など用途色々!
やり方は簡単
では検査のやり方について。
手順は以下の5ステップ。
①Amazon等の販売サイトでキットを買って、郵送してもらう
②注意事項を読んで同意書にサインして、
③Web上で検査申し込み登録をし、
④キットに同封された容器に唾液を入れて、
⑤同封された封筒に、「唾液入れた容器」と「同意書」を入れ発送(切手不要)
1ヶ月後ぐらいに検査が終了したというメールが届くので、そしたらスマホやPCから結果が見られるようになる。
もう少し詳しく見ていこう。
①まずはAmazon等の販売サイトでキットを買って、郵送してもらう
すると自宅にキットが送られてくる。
以下は、検体採取時の写真たち。
キットの中身▼
上段・左から「利用ガイド」「検査項目一覧」「検体(唾液)返送用封筒」
下段・左から「検体採取容器」「同意書」「遺伝子検査の注意事項」
②同意書にサインし、
③説明書に従ってwebからキットに書いてある検査IDの登録(登録方法はこちらのページにも記載)
④容器に検体(唾液)を採取
⑤あとは、検体が入った容器と同意書を返送用封筒に入れて、ポストに投函するだけ。
結果とその見方
約1ヶ月後に「検査完了のお知らせ」というメールが届いたら、結果が見られるようになる。
早速、マイページにログインして確認する。
ちなみにスマホアプリもあるので、そこから見ることもできる。
ログインすると以下のページに。画面にある5通りの方法で検査結果を表示できる。
- 疾患カテゴリ別表示
- 体質カテゴリ別表示
- 疾患リスクレベル別の表示
- オッズ比順表示
- 身体部位別の表示
実際の表示画面は、それぞれこんな感じ。
【疾患カテゴリ】
→疾患に関する項目のみを「消化器」「心臓・循環器・脳」「生殖器・泌尿器」…などに分類して表示
【体質カテゴリ】
→体質に関する項目のみを「血液・代謝」「食生活」「体格」…などに分類して表示
【疾患リスクレベル】
→疾患に関する項目を臓器ごとに罹患リスク「High」「Middle」「Low」で分類して表示
【オッズ比】
→疾患に関する項目をオッズ比*が高い順に表示
ある事象の起こりやすさ(ここでは疾患へのかかりやすさ)を2つの群で比較した統計的尺度。オッズ比が1を越えて大きな値になるほど、その疾患へのかかりやすいという事になる
【部位別】
→臓器ごとに疾患に関する項目をすべて表示
この辺の表示方法は自分の好みに応じて選択する。
で、検査項目をクリックすると詳細ページに飛ぶ
詳細ページには、以下の6項目の事が書かれている。
- 概要
- 発症リスク
- 予防と対策
- 個別遺伝子型結果
- 遺伝子詳細
- 参考文献
とりあえずは、上の3項目「概要」「発症リスク」「予防と対策」を見とけばいいかなという感じ。
専門知識があったり、深掘りしたい場合は、参考文献などを追ってみる。
あと、個別遺伝子型結果には、参考としている論文の信頼性のレベル(論文ランク)が「1~3」で評価されているので、合わせて参考にするとよい。
数字が大きいほど、信頼していいという事。
どうでもいいが、学生時代に研究してた遺伝子もあってなんか懐かしかった。
これ(セリンというアミノ酸の合成酵素の遺伝子)▼
まあ、いろいろ表示方法とか、項目とかあるけど、とりあえずの見方としては、
- リスクレベル別表示で、リスクがHighなものを中心にみていく(時間がなければオッズ比表示でもいい)
- 検査項目の中身については、上から3つの「概要」「発症リスク」「予防と対策」に目を通せばオッケー
という感じでいいのではないかと。
で、時間があるときにじっくり見ると。
検査結果は当たってるのか?
未来のことはわからないので「病気のリスクがどこまで当たってるのか」はわからないけど、今すぐ確認できる項目もある。
例えば「歯ぎしり」なんかは「やや多い」という結果で、これは正に当たっていた。
あとは、
- 髪の太さ→太い
- 髪のカール→カール強い
- 痛みに対する敏感性→低い
- 耳垢のタイプ
- 目の色
など当たっていて、「おー、中々正確やん」と思った。
ただ唯一、「性ホルモンと薬指の長さ」は違っていた。
まあ、全体で見れば概ね当たっていると見ていいかなと。
結果の活用の仕方
結果の活用の仕方はアイディア次第でいくらでもあると思うが、
僕は次のように活用した。
- 生活習慣の改善
- 現在の不調の原因の特定
- リスクが高い病気の症状をメモっておく
- 自分の体質を理解する
- 話のネタ、知識を増やす
生活習慣の改善
結果を見ていると、リスクの高い疾患の予防策として生活習慣改善のアドバイスが書いてある。
その内容は、
「飲酒は控えましょう」「運動しましょう」「野菜を食べましょう」
などオーソドックスなものが多い。
だけど、
「あなた精巣がんになるリスクが2.5倍ですよ。それが嫌なら…」
という脅しが入った上でのアドバイスなので、説得力があるというか、それを実践しようというこちらの真剣度が全く違う。
ぼくの場合、検査結果を参考に、生活習慣改善の方針を以下の4つに分けて整理した
- 日常生活 - 控えるもの・避けるもの
- 日常生活 - 積極的に行うもの
- 食生活 - 控えるもの・取りすぎに注意するもの
- 食生活 - 積極的に取る・不足に注意するもの
その一例としてはこのような感じ。
【日常生活 - 控えるもの・避けるもの】
- 飲酒
- 喫煙(副流煙)
- 肉体的・精神的ストレス
- 座りすぎ
- 正座・底の硬い靴やハイヒール etc...
【日常生活 - 積極的に行うもの】
- 睡眠
- 運動
- 日光を浴びる
- 夕食〜就寝の時間をあける
- 水分補給
- 健康診断・人間ドック受診
- 定期的な歯科検診 etc...
【食生活 - 控えるもの・取りすぎに注意するもの】
- 塩分
- 精製糖(砂糖)
- 尿酸値を上げるもの(プリン体、アルコール、果糖)
- シュウ酸 etc...
【食生活 - 積極的に取る・不足に注意するもの】
- 海藻
- キノコ
- 鉄分
- クエン酸
- マグネシウム
- ビタミンD etc...
ただ、これだけだと普通の健康指導と変わらない。
実際には、それぞれの行動が、どんな疾患の予防に関係しているのかをスプレッドシートにまとめている。
こんな感じで。
カッコ内は疾患リスクの倍率。リスクが高いものは赤字で表示してみた。
具体的な疾患名とリスクの数字が入ることで、強制力がまるで違う。疾患の痛ましい症状なども読み込むとより生活習慣を改善しようという気になる(笑)
これは普通の健康指導では得られない御利益だ。
このまとめを見ると、喫煙なんて絶対しないようにしようって思うし(元々やってないけど)、運動を習慣化することや睡眠の質を改善するモチベーションは上がるし、ストレスコーピングやストレス解消もちゃんとやろうという気になる。
現在の不調の原因の特定
例えば、ぼくは少し前まで不眠気味で睡眠の質がめちゃくちゃ悪かった。
でも、不眠の原因というのは考えられる要因がめちゃくちゃたくさんあって特定が難しい。
そんな時にこの検査結果を見てたら、遺伝的に「マグネシウムの血中濃度が低くなりやすい」「ビタミンDの血中濃度が低くなりやすい」という結果だった。
どちらも睡眠に重要な栄養素だ。
試しに食事やサプリで意識してこれらを摂取するようにした。
その他の改善策も同時進行で実践し、結果的に睡眠の質は劇的に改善した。このキットの検査結果もその糸口を見つけるのに役立った。
今は慢性疲労っぽい症状が気になっていて、遺伝的にコエンザイムQ10の産生が少ないらしいのでサプリとか試してみようかなーと思っている。
また会社員時代に、逆流性食道炎のような症状で苦しんだ時期があった。
その時は病院に言っても原因不明と言われ、「ストレスをためないように」とか漠然とした診断しかされずどうしようもなかった。
時が経ちこの検査を受けてみると「好酸球性食道炎」という初めて聞く病気のリスクが3.42倍だった。
「もしかして当時のあの症状の原因はコレだったのでは?」と思った。
こんな感じで初めて聞くような病気がたくさんあるので、いま原因不明の症状で苦しんでいる人はその解決の糸口が見つかるかもしれない。
リスクが高い病気の症状をメモっておく
高リスクな病気の初期症状をメモって頭に入れておいて、それと類似の症状が出たら早期に診断を受ける。
早期発見さえすれば死に至らないという病気も多いのでこれは是非やっておきたい。
ぼくの場合は、
- 精巣がん
- ホジキンリンパ腫
- 視神経脊髄炎
など。
これはオッズ比が高いやつ(かつ一般的にも発症率が高いやつ)を何個か選抜してやればいいと思う。
自分の体質を理解する
体質に関する項目もかなりある。
個人的には、
- 乳糖不耐症
- カフェイン感受性
- 夜型傾向
などはかなり実用的だと思う。
とくに後者2つは、僕も睡眠の質を改善するときに活用させてもらった。
話のネタ、知識を増やす
色んな検査項目があるので、中には「話のネタ」「飲み会のネタ」になるものも多い。
遺伝的な「アルコールの強さ」とか、「ハゲのなりやすさ」とか、「ギャンブル依存傾向」、「長生きするかどうか」などなど。
ノロウイルス耐性という項目もあるので、生牡蠣を食べてる時なんかに「俺は遺伝的にノロウイルス耐性が強いんだよねえ」なんて話もできるなあとか思いながら検査結果を見ている。
また、既に書いたが検査項目には本当にたくさんの疾患が含まれているので、「こんな病気もあるんだな。てか病気ってこんなにいっぱいあるんだな」と驚かされる。それらを見ていると「病気こえーなー」という気分になり、リスクが高くなくても生活習慣改善しようと思えてくる。
病気以外にも、色んな豆知識的な情報もたくさん得られる。
「食事と運動、ストレス管理でテロメア長が伸びたという研究結果がある」とか「目の色の濃淡を決める大きな要素の一つがメラニン色素の量。『黒い瞳 => 茶色の瞳 => グリーンの瞳 => ブルーの瞳』の順にメラニン量が少なくなる」とか。
検査結果に添えられている補足情報を見ているだけでかなり面白い。
検査結果は全部見なくていい
検査項目は360もあるので正直多い。
全部目を通そうとすると結構大変。
そして、中には知ったところで如何しようもない項目というのもあったり。
例えば、炎症バイオマーカーに関する項目など。
炎症バイオマーカーが遺伝的に高くなりやすいか、低くなりやすいとか知ったところで何の役にも立てようがない。
血液検査して炎症マーカーが高値になってるのに、「いや、僕は遺伝的に炎症マーカーが高い傾向にあるんで心配ないですよ」とはならんだろうから。逆もまた然り。
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そんな感じでアイディア次第で健康に役立てたり、深刻な身体の悩みを解決したり、エンタメとしても楽しめる遺伝子検査キット。
自分の身体の事を深く理解したいという人にはかなり楽しめる内容だ。
ぼくのような健康大好き人間にはうってつけのキットだった。