ストレスを解消させたいけど、「何をしようか?」と悩んでしまうときがあります。
そんなとき困らないように、科学的に効果が証明されている、あるいは、医師が勧めるストレス解消法を集めてみました。
そして、実際にやってみて効果があったものをここにまとめようと思います。
5分でできることから、1日を通して楽しめるものまで色々ありました。
科学的に証明されてる方法なので、自分に合う方法がきっと見つかると思います。内容が盛りだくさんなので、気になったところだけ読んでみてください。
- 軽い運動は最強のストレス解消法
- 自然の力でリフレッシュ
- 娯楽でストレス発散
- リラクゼーション系
- 食の力でストレス解消
- 感情と共にストレスを発散
- 心理学的なストレス解消法
- 参考文献
- 用語解説
- おすすめ記事
*1~17は参考文献、*a~gは用語解説の注釈番号を表しています。クリックすればそれぞれ、「参考文献一覧」、「用語解説一覧」にジャンプします。
軽い運動は最強のストレス解消法
ストレス解消法として、ぜひとも、いや、絶対にやってほしいのは「運動」です。
「えぇ…運動嫌いだなあ」
と思った人もいるかもしれませんが、安心して下さい。
別にクタクタになるようなことはしなくていいんです。軽い運動で。
運動がストレスに効くという研究報告は山のようにあります*1。
例えば、有酸素運動は脳内のGABA*a、セロトニン*bという物質の分泌量を増やします*1。
これらの物質は、神経の興奮を鎮め、充実感を与えてくれる働きがあるんですね。
運動をすると爽快感が得られる理由の1つはコレです。
さらに詳しくはこちらの記事を読んでみてください。かなりオススメの記事です。
▶︎ 人間にとって「運動が最強のストレス解消法」である理由を知ったら運動が習慣になった

ぼくも、軽い運動を習慣にしてます。
運動はいいですよ。むしゃくしゃした気分も晴れて、頭がすっきりします。
では、どんな運動をすればいいのでしょう?
ウォーキング
まだ運動に慣れていない人はウォーキングから始めると良いと思います。
「息が少し上がる程度の速さ、つまり体に少し負担がかかる程度の速度で歩く有酸素運動。これを1回30分で、週3回。」
これでストレス解消効果があったと報告されています*2
ただ歩くだけじゃなくて、少し息が上がる程度っていうのがポイントですね。

朝起きてから、もしくは通勤・通学の際にこれを行うのがオススメです。
ぼくは通勤の時に歩いていますが、これをすると以下のようなメリットがあります。
- 移動時間と運動の時間を兼ねることで、「運動する時間がもったいない」という問題をクリア
- 朝、運動することで脳への血流が増し、その日の作業効率を高めることもできる
電車・バスなどで通っている人は、乗る駅 or 降りる駅を調節することで歩く時間を確保しましょう。
汗を拭くタオルやシート、着替えなども必要に応じて持参します。
ぼくは音楽やオーディオブックを聞きながら歩いています(車などには充分注意してください)。
ぼくもこれをするようになってから、毎朝すごくスッキリした気分で仕事に取り掛かれるようになって、その効果に感動しています。
ジョギング・ランニング
がっつりストレスを解消したいときは、より身体を使うジョギングの方が気分はスッキリします。
ウォーキングで身体を動かすことに慣れた人は、こちらを実践してもいいと思いますね。
むしゃくしゃしているとき、1日の終わりに思いっきり身体を使って走ると気持ちいいです。
そのあと、「銭湯で汗を流す→ビールを飲む」というのがぼくにとって至福のコースです。
プレミアムコースだと、「ランニング→銭湯・温泉→マッサージ→ビール」となります。最高です。
エアロバイク
走ってばかりいると膝への負担が気になります。
膝は死ぬまで使う消耗品のようなものなので、老後のことを考えると大切にしたいところ。
なので、運動にはエアロバイクの日も織りまぜるようにしています。
ジョギングだと足の接地のときに膝に負担がかかりますが、エアロバイクだとそれがありません。
雨の日にできるのもいいですね。
ぼくは、近所にある公営の体育センターでやっています。
ジムに行くより安いのでオススメです。どの町にも大体あると思うので、検索して探してみましょう。
水泳
エアロバイクと同じく膝の負担が少ない運動。
使う筋肉も随分違うので、ケガの防止につながります。
やはりケガを防止する上では、違う運動を織り交ぜていくことが大切ですね。
ぼくは学生時代、部活でケガが多かったので、その辺はかなり気をつけています。
ネックなのは、イヤホンがつけられず音楽やオーディオブックが聞けないことですかね。
こちらも公営のプールを利用すると安く済みます。
筋トレ
筋トレ(無酸素運動)がメンタルヘルスに与える影響の研究は、有酸素運動ほどは進んでいないようです*1
*ネットで検索すればそういう記事が出てきますが、ソースがないものや有酸素運動の研究結果を間違って無酸素運動に当てはめているものが多いです
しかし、適度な筋トレは心地よい疲労感を感じさせてくれ、体感的に頭がすっきりします。また、適度な疲労は質のいい睡眠に必須。
筋トレにより、脳の成長因子が作られるという報告もありますので、これが精神に良い影響を与えていることも考えられます*1。
ですので、運動の選択肢の1つとして有効な手段だと考えています。
筋トレはぼくも取り入れています。有酸素運動と違って、短時間で気分がスカッとするのが良いですね。
自宅では自重トレーニングをして、ウェイトトレーニングがしたければ公営or私営のジムに行くといいですよ。
ボルダリング
有酸素運動とは少し違いますが、全身の力を使って行うボルダリングは心地いい疲労感をもたらしてくれますね。
高い壁を登るという非日常の体験も気晴らしにはもってこいです。
お金が割とかかるというのがネックですが、運動のレパートリーの1つとしてはアリだと思います。
いつもの運動に飽きてきたら、候補に入れてみてください。「楽しい」と思えることが、1番ですからね。
関連記事▶︎ ボルダリングの始め方。初心者体験に行ってきたので必要なモノ等まとめ【未経験者向け】
ヨガ
ヨガには副交感神経*cを優位にする、ストレスホルモンであるコルチゾール*dの低下、不安感の軽減などの効果が認められています*3。
イメージとしては運動とマインドフルネス(詳しくは後述)の効果を同時に得られるといったところでしょうか。
興味のある人は、近隣のヨガ教室を検索して探してみてください。
Youtubeのレッスン動画を見ながらやるのもいいですね。
ボーリング
ボーリングはめちゃくちゃ好きというわけではないですが、たまに行くと面白いですね。
いっしょに行く人がいればアリだと思います。
バッディングセンター
これも運動の選択肢の1つとしてはアリなんじゃないかと思います。
ボールをバットでかっ飛ばすわけなので、後で説明する「破壊セラピー」としての効果もあると思われます。
ただ、バットをボールに当てられない人は余計イライラすると思うので、あまりにも下手な人はやめた方がいいかもしれません。
自然の力でリフレッシュ
自然の中にいるとなんとなく落ち着いた気分になると感じたことはないですか?
実はこれは「なんとなく」ではなく、科学的にもストレス解消効果があることが証明されているんです。
緑が豊かなところに行く(森林浴)
森林浴の効用は19世紀のドイツで発見されました。
森に囲まれた療養所でしばらく過ごしていると、それだけで軽い精神障害が治ってしまうことがありました。
調べてみると、木の幹や葉からフィトンチッドという香気成分が出ているとことが判明。
これが副交感神経*cを刺激して心身をリフレッシュさせていたんです*4。
ぼくは森の中で、少し上を見上げながら歩くのが好きです。
森の木の高さと、葉と葉の間から差し込んでくる太陽の光を感じると、自然の中にいるとことを実感できます。
登山
山に登ることで、「有酸素運動」と「緑に囲まれること」の効果を同時に得ることができます。
山頂からの景色も楽しめるし、食事も美味しく食べられて、楽しめるポイントがたくさんあって良いです。
いきなり本格的な登山はキツいので、ハイキングコースくらいの、ある程度道が整備されたところがいいですよ。
あと、山頂に休憩・食事できる施設があるところがいいです。汗かいたあとに山頂で飲むビールは特別で格別だ。
青空を眺める
青空を眺めることは疲労をやわらげる効果があります*5。
青色は色彩学で「神経を落ち着かせる色」だとも言われていますし、空は自然の雄大さも感じさせますからね。
さらに、上を見上げるという動作を行うことで、自然に胸がピンと張り、姿勢が整います。
胸を張る姿勢はストレスに対する抵抗力を高めることがわかっていますので、2重の意味でストレスに効果的というわけです。
なのでぼくは晴れた日には、小休憩に青空を眺めることを習慣にしています。
頭がごちゃごちゃしてきたときは、青空を見ながら、何も考えず頭を空っぽにするとかなりリフレッシュできますよ。
海を眺める
海を見ることも、空と同様にメンタルヘルスに良い効果があることがわかっています*6。
海って何時間見てても飽きないですよね。10時間ぐらい見てたら飽きるのかもしれないけど。

ぼくは何も考えず、ぼーーーっと海を眺めてる時間が好きです。
日常の心配事とかが頭に浮かんでくることもあるけど、不思議とそれを悲観的に捉えることがないんですよね、海では。
心が落ち着いてるからだろうか。
そうしてうちに、意外と、今後どうすればいいのか冷静に答えが導き出せることもあります。
何もやる気の起きない休日は身体が「海に行け」と言っているということです。
絶景を見る
滝とか、渓谷とか、展望台からの眺めとか、白銀の雪景色とか、星空とか、オーロラとか。
絶景は、窮屈な生活で凝り固まった心でも、有無を言わさず感動へと導いてくれる力があります。
心がうんともすんとも動いてくれない。そんな時こそ絶景を見に行くときだ。
ま、オーロラは見たことないんですが。死ぬまでには絶対見に行きたいです。
田舎に行く
都市部に住む人は、田舎に住む人よりストレスを感じやすい脳になっているという研究結果があります*2。
都市部はネオンや騒音などの刺激が多いので、脳の扁桃体*eという部位(ストレス反応のスイッチとなる部位)が敏感になっているためです。
そのため、都市部に住む人もたまには田舎へ行って、扁桃体を休ませてあげることがストレスの軽減につながります。
ぼくは、田舎は不便なので住むのは嫌なんですが、たまに行く分にはすごくリラックスできて好きですね。
旅行に行くにしても、たまには自然の豊かな地方に行ってみてはどうでしょうか?
動物と触れ合える場所に行く
アニマルセラピーという、「動物と触れ合うことで感じる幸福感で、心を癒す取り組み」があります。
日本ではまだ馴染みないですが、アメリカでは積極的に医療現場に取り入れようとする動きもあります。また、フランスでは保険適用されることもあるそうです。
次のような研究があります。19才~73才の被験者に、犬とロボット犬のAIBOをさわらせました。
そして、被験者の血液を採取して調べたところ、生きている犬にふれたときは、セロトニン*bやオキシトシンなどの幸福感を生み出すホルモンの増加が見られました。
逆にAIBOの場合は減少したそうです*5。生きている動物と触れ合うことで、幸福感を得られることが科学的にも証明されたわけです。
動物と触れ合える場所としては、
- 猫カフェ、ドッグカフェ、うさぎカフェ、ハリネズミカフェ、フクロウカフェなどの動物カフェ
- 動物に触らせてくれるペットショップ
- 動物と触れ合える動物園
など。
気晴らしをしたいけど、なんだか人とは会いたくないときに良い方法ですね。
人にペットを飼う習慣ができたのも、本能的にこの方法の効果を理解していたからなんでしょうね。
娯楽でストレス発散
わざわざ科学を持ち出すまでもなく、思いっきり遊び楽しむことはとても良い気晴らしになります。
なので、この章では科学的根拠をいちいち提示したりはしてません(一部を除いて)。アイディアの紹介です。
笑ったり、身体を動かしたり、大きな声を出したり、没頭できることというのは、最高のストレス解消法。
自分が好きなもの・楽しいと思えるものをやってみてください。
カラオケ
大声を出すこと、リズムに乗ることはすごく気持ちがいいです。
僕はただ歌うことに飽きてきたら、勝手に歌詞を変えたり、勝手にラップにしたりして遊んでいます。
カラオケはバカになった方が勝ちだ。
最近は1人カラオケに対する世間の目も優しくなってきました(1人カラオケ専門店もあるようです)。
1人でも大勢でもじゃんじゃんカラオケに行きましょう。
映画館
物語に没頭し、一時的に現実から距離をおくことは良い気晴らしになります。
携帯の電源も強制的にオフにさせられて、外界からシャットアウトされるのでより現実と壁を作れます。
詳しくは後述しますが、作品を通じて笑うこと・泣くことでも、ストレス発散効果があります。
もちろん、自分が見たい作品を観るのが1番です。
ただ、作品が面白くなかったらガッカリしてしまうという意味で、少しギャンブル的な要素が含まれてしまうのが難点。
テーマパーク
大声を出したり、身体を動かしたり、非日常を味わえたり。
テーマパークは気晴らしの要素が詰まっています。
さすがに1人で行くのはツラいというのがネック。
いっしょに行く人がいれば、すごくいい気晴らしになります。
スポーツ観戦
デカい声を出して、好きなチームを応援するのは楽しく、良いストレス発散になります。
試合開始前のあの緊張感もたまりませんね。
自分が試合するわけじゃないこそ楽しめるものですね、あれは。
野外フェスなど音楽ライブ
好きな音楽聴いて、はしゃぎまくって、うまいもん食って。
憂さ晴らしをするためにあるようなイベントです。
音楽好きな人には最高のご褒美です。
スマホゲーム
手軽にできて、クオリティも高くて、無料でできる。
娯楽のプロたちが作ってくれてるので、プレイヤーをすぐにゲームの世界に没頭させてくれます。
やりすぎ注意ですが、気晴らしにはもってこい。というか気晴らしのために存在しているようなものですね。
テレビゲーム
スマホゲーム全盛ですが、テレビにつないでやるゲームもまた違った楽しさがあります。
大画面で複数人でやると楽しいです。
ボードゲーム
*画像はJELLY JELLY CAFE 公式サイトより
最近流行りだしているボードゲーム。ぼくも大好きです。
テーブル上で行うアナログなゲームで、色んな種類のゲームがあります。
なかなか言葉で説明するのが難しいのですが、トランプのようなものもあるし、すごろくのようなものもあるし、ホントに色々です。
テレビゲームには馴染みがない人や女性とも一緒に楽しみやすいです。
飲みながらやると楽しいですね。
家にボードゲームがなくても、ボードゲームカフェなんていうものもあってオススメです。
ボードゲームをやったことがない友人を連れて行ったんですが、「めっちゃ面白かった!」と言ってくれました。
ゲームってコミュニケーションが苦手な人がコミュニケーションを取りやすい環境を整えてくれるところが素晴らしいと思います。
参考リンク▶︎JELLY JELLY CAFE 公式サイト
買い物(リテールセラピー)
買い物をすることで、悲しみを癒し、幸福感を得ることができるという研究結果があります*7。
これをリテールセラピーと言うそうです。
買いたいけど迷っているものがある人は、思い切って買うのもいいかもしれません。
とはいえ、余計な出費やいらないものが増えると逆にストレスになってしまいます。

そこで、ぼくがオススメなのは、生活用品を一新することです。
例えば、タオルや下着、靴下などは一度買うと、なかなか買い換えることはないですよね。
ヨレヨレになってもつい使い続けてしまいます。
これらを新しくするのはそんなに無駄な出費でもないです。
そして何より、タオルを使おうとして引き出しから新品のタオルが出てくると、意外なほど晴れ晴れとした気持ちになれます。
特に買うべきものがない人に、これはオススメです。ほんと。
関連記事
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旅行
旅によってストレス反応が和らぎ、幸福感が増すことがわかっています*8。
さらに、身体の免疫力を高めてくれ、ガンや老化を防止してくれる効果もあると考えられています。
しかも、旅のリラックス効果は、「男性」「あまり旅行をしない人」「内向的な人」ほど高いという意外な結果も出ています。
ぼくは会社のストレスで食事がほとんど喉が通らなくなったときがあったんですが、旅行に行くとそれがウソみたいに普通に食事が取れるようになりました。
そのときぼくは、

旅行ってすごい!マジですごい。
ということを身をもって体感しました。
久しぶりに美味しいものを普通にたくさん食べることができて、ちょっと涙ぐんだことを覚えています。
旅は良いですよね。日常と距離を置く事ができると、それだけで心が落ち着きます。
自分の生活を客観視できるので、現状を冷静に振り返る事ができます。
その土地にしかないものを楽しむのも素晴らしいです。
でも、特別なことをしなくても、「遠くに行くこと」ただそれだけで価値があると僕は思います。
リラクゼーション系
リラックスして、心と身体を休めることも重要です。
科学的に効果のある休養法を紹介します。
温泉・銭湯に行く
温泉の効果は科学的にも証明されています。
実験では、2泊3日の旅行に参加した40人の被験者の唾液を旅行の前後で採取して調査しました。結果、被験者のもともと持っている性質に多少左右されるものの、ストレス軽減効果があることが証明されました*5。
入浴には、血管を広げて血の巡りをよくする作用や、リラックス効果があります。なので、温泉といわず銭湯でも良いと思います。

風呂は入っている時間も良いんですが、ぼくは上がった後にソファに座ったり、寝っ転がったりしてダラーっとする時間が好きです。
風呂で温められた身体が、徐々に冷やされていくときに感じる身体が浮いていくような感覚が最高に気持ち良い。
岩盤浴
温泉の別パターンとして、岩盤浴。
同じように、血管を広げて血の巡りをよくしてくれます。
個人的には、温泉より岩盤浴の方が長く入って入られます。あと、身体が温まることで胃腸の調子が良くなることも実感します。
たまに行くとすごく気持ち良い。岩盤浴のあとにマッサージに行くと最高です。
マッサージに行く
マッサージを受けることによってコルチゾール*dが31%低下し、セロトニン*bが28%増加、意欲の向上に働くドーパミン*fも31%増加することが報告されています*5。
指圧でも、整体でも、アロママッサージでも構いません。
個人的には、可愛いお姉さんにマッサージしてもらえると、より一層癒されます。
可能なら器量のよろしい異性の方にマッサージしてもらえる店を探して行きましょう!
マインドフルネス(≒瞑想)
マインドフルネスとは、仏教などで実践されている瞑想から宗教的な要素を排除した、心を整えるためのメソッドです。
Appleのスティーブ・ジョブズなどの世界的CEOが実践し、Googleの社員研修に取り入れられていることでも有名。

ぼくもそうなんですが、ストレスフルな人は、ほとんどの時間、過去への出来事(上司に怒鳴られた等)や未来への不安のことばかりを考えていて、頭の中がごちゃごちゃになっています。
マインドフルネスはそのような思考を断ち、心を「いま、ここ」、つまり目の前のことに向けることを目的としています。
マインドフルネスに関する研究もたくさん行われていて、科学的にもその効果は実証ずみ。
マインドフルネスの実際の方法はネットで検索すればいくつか出てきますが、こちらの本が研究論文の出典付きで詳しく解説してくれています。
▶【書籍】世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
ろうそくの火を眺める
色彩心理学的に赤やオレンジは元気の出る色として知られています*5。
また、ろうそくの炎のゆらぎはf分の1ゆらぎと言われ、脳波をα波*gに整える効果もあり*4。
アロマが好きな人なら、アロマキャンドルを使うことで、香りのリラックス効果も得られます。
寝る前にろうそくの火を眺めながらぼーっとするのが好きです。
火を見ながらマインドフルネスをするのもいいと思います。
読書
読書を6分間するだけで、ストレスが68%軽減するという研究報告があります*10(指標は、筋肉の緊張度合いや心拍数で、血中のホルモンを測ったりはしていないようです)。
内容に集中出来る本ならどんなジャンルでもいいようです。
ぼくも、寝る前なんかによく読書をします(寝る前にスマホを見ると眠れなくなるから、代わりに本を読んでいる)。
確かに、その本の内容に没頭していると、他のことを考えなくていいのでリラックスできますね。

ぼくは自分の好きな人の自伝を読むのが好きです。
本としての物語性と実用性のバランスがいいんですよね。
一息20秒の深呼吸
深呼吸がリラックスに良いことは、科学的にもちゃんと証明されています。1分間に3〜4回のペースで深呼吸をすると、リラックスしていることを示す脳のα波*gが増加します*5。
他にも、コルチゾール*dの減少や、心拍数の減少などを示す研究報告もあります。
深呼吸の仕方は、ゆっくり息を吸って、できるだけゆっくり、20秒くらいかけて吐きます。20秒なので結構長い。空気を全部出し切るイメージです。
ぼくは、寝る前や、頭がモヤモヤしているとき、イライラしているときに、深呼吸をして脳をリラックスすることをルーティーン化(習慣化)しています。
明治大学教授の堀田さんも同じことをやっているようです。
ルーティーン化すると、深呼吸するだけでスイッチが入ったようにリラックスできるようになりました。みなさんも、こういうリセットスイッチを作ると便利ですよ。
昼寝
眠りというのは、休息という意味でも、ストレス源を一時的にシャットアウトできるという意味でも、リフレッシュにつながります*11。
また、20〜30分の仮眠によって脳のパフォーマンスが34%向上することも報告されています*5。
ぼくも超がつくほどの昼寝党です。
昼寝は本当にやったほうがいいですよ。
ただ、最近は20分でも長すぎると思っていて(かえって眠くなる)、5分ぐらいが丁度いいと感じてきています。
関連記事▶︎サラリーマンが昼寝を習慣にすると人生変わるよ。習慣化するための方法
音楽を聴く
落ち着いた音楽を聴くと、コルチゾール*dの値が下がり、リラックス効果があったという報告があります*12。
また、アップテンポの曲も、免疫力が向上するなど良い効果があることが報告されています*13。
僕も音楽を聴くのは好きです。
ノリの良い曲、心を癒してくれる曲など、その時の気分に合わせて聞きたい曲をチョイスします。
特にリラックスしたいとき(寝る前など)は、クラッシックやJ-POPのピアノ独奏曲を聞きます。
ピアノの音が1番カドが立ってなくて落ち着きます。他の楽器はちょっと邪魔に感じてくるんですよね、寝る前とかは特に。
リラックスしたい人はぜひ、ピアノ独奏曲を試してみてください。
Youtubeなどでも聞けますよ。
食の力でストレス解消
食べ物がぼくらの気分・感情に与える影響というのは軽視できないところがあります。
食べ物を上手に使って、気分転換するにはどうしたらいいんでしょうか?
空腹を避ける
空腹は心の安定に悪い影響をもたらします。具体的には血糖値が重要になってきます。
次のような興味深い実験があります。
夫婦107組に、21日間、寝る前にパートナーに見立てた呪い人形と51本の針を渡して、好きなように刺してもらうというものです。すると、血糖値が低いときほど、人形に指す針の数が増える傾向が出たというものです*5(こわい)。
空腹だとイライラするというのは感覚的にも理解できると思います。糖質制限や食事を抜きがちな人は特に注意が必要です。
ぼくは以前、オフィスでの食事禁止という職場で働いていましたが、こまめに休憩をとって(食事禁止エリア外で)お菓子を食べたり、糖分の入った飲み物を飲む(飲料はOKだった)などをして、糖分を補給していました。飴を舐めるのもいいですね。低血糖だと、集中力なんかも落ちますし、血糖値には気をつけたいですね。
熱々のミルクティーを飲む
熱々のミルクティーを飲むと本当に心が落ち着きます。
その理由として、ネットなんかではよく「牛乳に入っているトリプトファン(体内でのセロトニン合成に必要な物質)やカルシウムが効いている」と書かれていますが、おそらく違うと思います。
ミルクティーの効果は一口飲んだ直後に実感できます。つまり、即効性があります。
栄養素は、喉を通過した後、胃腸から吸収され、脳に到達するのに時間がかかるため、このような即効性を発揮するのは無理です。
おそらく、「ほっとするような暖かい飲み物であること」「まろやかな味」「お茶のいい香り」が効いているのではないかと思っています(これは推測です)。
効果があるという客観的な事実はないですが、実感としてホントによく効くと思っているので紹介させてもらいました。
僕は特に、タリーズのロイヤルミルクティーが大好きです。
また、ミルクティーではなくても、自分の好きな暖かい飲み物があれば試してみてください。
コーヒーには”香り”にも良い効果がある
カフェインの”シャッキとする”効果を期待してコーヒーを飲む人は多いと思います。しかし、コーヒーの効果はそれだけではありません。
コーヒー豆の香りには、睡眠不足や疲労の原因とされている「活性酸素」によって破壊された脳細胞を回復させる効果があることがわかっています*5。コーヒーを飲むときは、ぜひじっくりと香りを楽しむようにしてみてください。
そしてこの研究結果は、「スタバなどコーヒーの良い匂いがするカフェは居るだけで休息効果がある」ということを示していることにもなります。
スタバって落ち着くなと思っていたけど、こういう理由もあったんですね。
好きなものを食べる
心が参っているときって、意外と「自分は何を食べれば満たされるんだっけ?」ということがすぐに思い浮かばないことがあります。
なので、「食べて美味しかったかもの」「食べて気分が上がったもの」をあらかじめメモしておくとすごく効果的です。

ぼくはストレスでしょっちゅう胃腸の調子が悪くなるんですが、そんな時はよく鍋を食べます。
消化にもいいし、野菜食べられるし、暖かさとかつおだしの風味になんだか「やさしさ」を感じられて癒されます。
あとは、モスバーガーも意外と胃への負担が少なくて、野菜も肉も食べられて、何より美味しいのでよく食べてます。
やけ食いするんではなくて、食事を楽しむことが大事です。
感情と共にストレスを発散
感情を表に出すと、それと一緒にストレスも外に発散させることができます。それは以下に紹介するように科学的にも証明されています。
笑う
笑うとすごく気分が良くなりますよね。
そのとき、体内ではコルチゾール*dの濃度が減少することがわかっています*14
また、笑うことは、快感物質(エンドルフィン)の分泌、創造性や記憶力の強化、免疫機能の促進などの効果があることもわかっています。
定期的な運動や野菜を食べることに加えて、一日に20分程度の笑いを取り入れることを推奨している専門家もいるほど、その効果は重要視されています。
ストレスが溜まっているときほど、身近な人との談笑を大切にしてください。
その他にも、お笑いのビデオを見る、落語やお笑いライブなどでぼくは笑いを摂取しています。
笑顔に備わっている「驚べき力」を利用する
笑顔になることは、心の健康にとってとても良い効果があります。
しかも、笑顔のすごいところは、たとえそれが作り笑いであっても、気分を高揚させ、心を明るくすることができるということです*5。
心と身体は互いに影響し合っていて、自分の意思で笑顔を作るだけでも楽しい気分を生み出すことができるんです(これをフェイシャルフィードバックと呼びます)。
とはいえ、楽しくもないのに作り笑いを浮かべるのには抵抗がある人も多いと思います。

そこでぼくがやっているオススメの方法は、スマホに面白い画像、笑える一言などを保存しておいて、気分が落ち込んだときにそれを見れるようにしておくということです。
面白い画像は、Google検索したり、Twitterを見ていれば結構出てきます。
画像は専用のフォルダを作っておくなどして、見たいときにすぐ見れるようにして整理しておきましょう。
泣く
涙を流して泣くと、それまでのつらい気持ちが嘘のように綺麗に洗い流される。それは誰もが一度は体感したことがあると思います。
これは泣くという生理反応を通して、副交感神経*cが優位になるから起こる現象です*15。
それによってそれまで感じていたストレスから解放される。
だから泣きたいときは思いっきり泣く。泣きたくても泣けないのなら、泣くのを援助してくれるものを用意しておくといいです。
ぼくは、映画、漫画、小説、音楽などで、自分が感動できる作品をコレクションしています。
これらの名作たちは、つらいときに涙を流すきっかけを与えてくれます。
不安やモヤモヤした感情は紙に書き出す
漠然とした不安に苦しんでいるとき、人はその原因が何なのかわかっていないことが多いです(わかっているつもりでも、実は漠然としか捉えられていない)。
でも、その不安から目を逸らしたいあまりに、その原因をはっきりと突き止めようとしません。しかし、不安の正体がわからないと、人はますます不安になってしまいます。
そんなときは、自分が不安に思っていることが何なのかを紙に書き出します。そして、それを「自分でできること」「自分ではコントロールできないこと」「時間がかかること」「すぐにできること」などに整理します。不安を吐き出し、それを整理するだけでもかなり頭はスッキリします。
試験の前に、試験についての不安を書き出した場合と、そうしなかった場合では、書き出した方が成績が良かったという報告もあります*5。不安なときは、そのことをはっきりと認めてあげるほうがいいんです。
イライラは書き殴って解消
イライラしている時は、つい怒鳴ってしまったり、汚い言葉を使ってしまいたくなります。
海に向かって叫べでもすればいいですが、まだ勤務時間中ならそれもできない。
そこで登場するのが、やはり紙です。
自分が今思っていることを、どんなに汚い言葉でもいいので、紙に向かって書き殴ります。
イライラしているので、ものすごい筆圧になりますが、構わず思いっきり力を込めて書きます。
字はどんなに汚くてもいいので、勢いが大事です。
他人にイライラしているのならその人の名前を書くのもあり。
誰に見せるわけでもないので、自分の感情をありのまま吐き出します。別に読み返すわけでもないので、字の上に字を書いてもOK。自分のイライラを吐き出せればいいんです。
他人の目が気になるなら、バインダーと紙とボールペンを持ってトイレでやりましょう。
すごくスッキリします。
破壊セラピー
イライラしていると何かに八つ当たりしたくなるのが人情というもの。
スペインでは破壊セラピーと言って、自動車を破壊させるという治療も行われているそうです*4。
日本でも皿を割って憂さ晴らしできるというサービスもあるよう。
しかし、結構お金もかかって、あまり手軽にはできなそうです。
そこでオススメなのがゲームセンターのモグラ叩きやパンチングマシーン。
あとは紙ですね。いらない紙や雑誌、ポストに勝手に入れられるチラシなどを思いっきり破るとビリビリと大きな音がして結構気持ちいい。
できるだけ大きな音が出るように破るのがポイントです。
上で紹介したように、不安やイライラを紙に書き出した後、それをビリビリと破るとなおのこと気持ちいいです。
自分のことを語る(他人と話す)
自分語りをすると、脳の報酬系が刺激され、快感が得られることがわかっています*16。
確かに、人って自分のことを話したいという欲求がありますよね。
飲み会の席などで、自分のことを延々と話している人がたまにいますが、あれは自分語りの気持ちよさが中毒みたいになってるんだろうな。
イライラや不安の原因になっていることを言葉にして話す(いわゆるグチ)でもいいんですが、自分語りであれば、グチをこぼさなくてもストレス発散になるということです。
だから、グチを上手にこぼせない人にはオススメです。
自分がある程度話したら、相手の話もちゃんと聞いてあげるなど節度を守れば、かなり有効な気晴らし法になりますよ。
心理学的なストレス解消法
人に親切にする(「情けは人の為ならず」は科学的に正しい)
「情けは人の為ならず」という言葉があります。これは、「他人に親切にすることは、その人の為というだけでなく、回り回って自分にも良いことがある」という意味です。
なんだか道徳の授業で出てきそうな話ですが、これは科学的にも正しいといわれています。
「具体的に人のためになるような行動」を取ると、自分自身の幸福度も上がります*5。
また、ボランティアなどに従事している人は鬱になる確率が少なく、またボランティアを長時間やればやるほど、幸福に感じる度合いが高くなるという報告もあります*5。
「ゴミを出す」とか、「人を笑わせる」とか、ちょっとしたことでいいんです。
ぼく自身も最近、この「人に親切にすることで得られる喜び」というのは本当に馬鹿にできないなということを実感しています。
人は1人では生きていけない生物です。なので、「他人を助けることで喜びを得る」という仕組みが脳に備わっているのかもしれませんね。
美女(美男)を見る
美しいと思う異性の顔を見るだけで、脳の報酬系を刺激し、快感をもたらしてくれることが研究によりわかっています*17。
この実験では写真が使われているので、実物ではなく画像でも効果は得られるようです。
確かに可愛い(格好いい)店員がいる店には足を運びたくなるし、人には美しい顔を見たいという欲求がありますよね。
好きな芸能人の写真をスマホに保存しておく、インスタでフォローしておくなどして、元気が出ない時に見ると、パワーを貰えます。
ガッツポーズや楽しい動きをする
これも上で書いた笑顔の話と似ていて、「嬉しいからガッツポーズをする」というだけでなく、「ガッツポーズをすることで気分を高揚させることもできる」という話です。
研究では、悲しい表情を浮かべさせた被験者たちにおかしなポーズ(下記画像参照)をとらせることで、だんだんと愉快な気分になっていったことが報告されています*5。
例えば、「踊り・ダンス」なんかも、自分の体を動かすことで気分を高揚させるアプローチですよね。
気分が優れないときは、「ガッツポーズをする」「変な踊りを踊ってみる」「ピョンピョン飛び跳ねてみる」などのポーズ・動きで心を明るくすることができます。ぼくは自分の部屋で音楽をかけながらわけのわからない振り付けをするというのをやっています。たまに。
掃除・片付け
精神的にまいっている人の部屋はほぼ間違いなく散らかっています。
「掃除するくらいだったらその分寝ていたい」
その気持ちはわかります。
しかし、 部屋が汚いことはメンタルヘルスにも悪影響を及ぼします。
ぼくも掃除を後回しにしがちだったんですが、いざ掃除すると「なんでもっと早くしなかったんだろう」と過去何回も後悔しました。
部屋が片付いていることの爽快感は、本当にすごいものがあります。
一気に片付けることが辛い人は、5分でもいいので少しずつ掃除を始めてみてください。
世界が変わると言って過言ではないほど、掃除にはすごい力がありますから。
行ったことがない場所へ行く
良い意味での慣れは、安心をもたらしてくれますが、「安心」と「飽き」は表裏一体です。
適度な新鮮さは、心をリフレッシュさせてくれます。
そんなに冒険をする必要はありません。
僕がよくやっているのは、
「行ったことない飲食店やカフェで読書」
「いつもとは違う地域のマックやモスに行ってみる」
「いつもと違うスーパーで買い物してみる」
「いつもと違う道で帰ってみる」
いつもの日常に少しだけ新鮮さを取り入れるのが好きです。
参考文献
*1【書籍】脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方
*2【書籍】キラーストレス 心と体をどう守るか (NHK出版新書)
*3 ストレス関連疾患に対するヨガ利用ガイド 医療従事者用(第2版)
*4【書籍】こころのお医者さんが教える 5分でできる「プチ・ストレス」解消術
*7 The benefits of retail therapy: Making purchase decisions reduces residual sadness
*9【書籍】世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
*10 Reading 'can help reduce stress'
*11 日本成人病予防協会
*12 Soothing Music Reduces Stress, Anxiety And Depression During Pregnancy
*13 Music can boost your immune system
*14 The effect of humor on short-term memory in older adults: a new component for whole-person wellness
*15 涙とストレス緩和
*16 Disclosing information about the self is intrinsically rewarding
*17 Beautiful Faces Have Variable Reward Value: fMRI and Behavioral Evidence
用語解説
*a GABA
γアミノ酪酸の略称。神経伝達物質の1種で、神経細胞の興奮を抑制する働きがある。GABAと同じ働きをする物質が抗不安薬として使用されている。
*b セロトニン
気分、不安などに関して重要な働きをする神経伝達物質。脳内でセロトニンの働きを強める薬が抗うつ薬として使用されている。
*c 副交感神経
全身に張り巡らせれている神経の1種。リラックスしている時に強く働く神経。逆に緊張している時に働くのが交感神経。
*d コルチゾール
副腎から分泌されるストレスホルモンの一種。詳しくはこちらの記事を参照。
▶︎ 日常のストレスはこうしてあなたの命を削る。ストレス時に体の中で起きていること
*e 扁桃体
脳の一部位の名称。体内のストレス反応をスタートさせる働きがある。詳しくはこちらの記事を参照。
▶︎ 日常のストレスはこうしてあなたの命を削る。ストレス時に体の中で起きていること
*f ドーパミン
神経伝達物質の一種。意欲や快感を引き起こす働きがある。
*g α波
人がリラックスしているときに脳から発せられる脳波。
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