あなたは今どんな会社で働いていますか?
「ブラック企業に勤めていて今すぐにでも辞めたい」という人もいれば、「自分の会社はホワイトだから一生ここに勤めるつもりだ」という人もいるでしょう。
また、「不満は結構あるけれど、職を変えるのも面倒臭いからこのままでいい」という人もいると思います。
しかし、ぼくは断言します。
どんな人でも、
例えいま超絶ホワイト会社に勤めている人であっても、
転職することを常に視野に入れておいた方がいいと。
これはいますぐに転職をしろという意味ではありません。
いつでも転職できるように準備だけはしておいた方がいいという意味です。
なぜ、そう言い切れるのか?
それは、これがぼくの経験から得た教訓だからです。
その詳しい理由についてこれから説明していこうと思います。
ホワイト企業から一転。突然お先真っ暗なブラック企業に
ぼくが入社した会社は端から見てもかなり優良企業でした。
少なくとも待遇において、数ある日本の企業の中ではかなり良い部類に入っていたと言えます。
- 業績はここ10年右肩上がり
- 残業代は必ず出る
- 盆休みと正月休みは土日を含め10日間前後ある
- 有給休暇は20日/年
- ボーナス年2回支給
- 転勤ほぼ無し
離職率も3%ぐらいで、そのほとんどが女性社員の寿退社で占められていました。
転勤も99%無いので、ほとんどの人がその土地に骨をうずめるつもりでローンを組んで一軒家を購入していました。
そこに来て業績も右肩上がり。あまりに調子が良すぎて、経営陣も
「こういう調子が良いときこそ身を引き締めて頑張りましょう。世の中、いつ何が起こるかわかりません」
とよく言っていました。
そして、その言葉は本当でした。
ホントに世の中何が起こるかわかったもんじゃない。
しかもそれは、本当に予想もしない角度からぼくら社員に不意打ちを食らわせてきました。
この会社はとんでもない爆弾を抱えていたのです。
というのも、一部の部署で何年も前からとんでもない不正が行われていたことが明らかになりました。
それが発覚してからは、会社の中は大混乱になりました。
会社がそんな爆弾を抱えていることなんて、ほとんどの社員が知らなかったからです。
当然のことながら取引先からはクレームの嵐で、会社の評判は業界の中はもちろん、世間一般から見てもガタ落ちしました。
信用も信頼も地の底に失墜しました。
営業の人は特に大変だったと聞いています。
土下座は当たり前で、人格を否定されるようなことを言われまくり、それでもひたすら謝罪し続けるしかなかったそうです。
もちろん営業以外の人も、その問題への対応に追われ、業務量は激増。
会社の中はてんやわんやになりました。
それに伴い、過労で産業医を訪ねる人も激増する一方でした。
プライベートでも、その不名誉な会社に自分が勤めていることがバレないようにコソコソしながら過ごすことを強いられるようになりました(特に飲み屋など。でも病院では保険証に社名が書いてあって絶対バレるので気まずかったとみんな言ってました。)
ついこないだまで超絶ホワイトだったぼくらの会社は、不正発覚の日を境に、一瞬にしてお先真っ暗のブラック企業に染まってしまったのです。
それ以降の会社の中の人間の行動は3パターンに分かれました。
会社から離れたくても簡単には離れられないというジレンマに陥った人
まず1つ目は、会社から離れたくても簡単には離れられないというジレンマに陥った人。
それは比較的年をとっていて今更転職だなんてと思っている人。年相応の能力がなくて転職ができない人。家を建てたりしたことで、中々その土地を離れられなくなっていた人などが当てはまります。
歴史のある会社でもあり、またそれまではあまりに優良企業過ぎたため、会社がこのような形でブラック企業になるとは夢にも思っていなかったのでしょう。転職のことなんて米粒ほども考えていなかったのだと思います。
真っ先に会社を飛び出した人
2つ目は、真っ先に会社を飛び出した人たちです。
このグループはやはり若い人たちが多かったです。
うちの会社では若い人たちであっても、年配の人たちと同じようにこの会社に一生勤めることを考えていた人たちが多くいました。しかし、まだ若いということで家を建てたり結婚している人も少なく、年齢的にも転職しやすい環境にあったため、素早く会社を脱出することに成功したわけです。
この問題が発覚してからは、若手〜中堅の社員が続々とやめていきました。
ぼくの同期だけでも、転職して行った人は1年以内に10人以上います。
不正対応業務のせいで転職できなかった人
そして3つ目は、若くて転職できる人材でありながらも、不正発覚後の対応業務を多く任されたことで、転職活動をする余裕がなかった人です。
不正発覚後は、この問題への対応のための業務が山のように発生しました。
その量は本当に膨大で、社員の残業の量が一気に膨れ上がりました。
とはいうものの、その業務量も部署によってかなり差があり、ほとんどその影響を受けてない社員というのもいました。つまり、その人たちが転職活動をする余裕があった人たちで、前述した②のグループに当てはまる人たちです。
それに対し、運悪く膨大な量の対応業務を任された人たちは、夜遅くまで働かせられ、場合によっては休日も出勤しなければならず、とても転職活動に時間を割ける状況ではありませんでした。
いくら転職したいという意思があっても、今の会社に在籍している限りは会社の存続のための仕事を任されれば、それを果たす義務があります。
それが嫌であれば、会社を辞めてから転職活動をするしかないのですが、さすがにそこまでのリスクをとれる人はいませんでした。
ただ、膨大な仕事を回された人の中でも少数ながら転職することに成功した人たちがいました。
それは、この問題が発覚する前から会社に何かあったときのリスクを考え、いつでも会社を飛び出せるように準備を整えていた人です。
自分の市場価値の評価や、どんな転職サイトを使えばいいのか、転職活動の流れやコツの調査、転職先の目星をつける、など。
それらができていた人達は、膨大な業務を任されても、その合間のわずかな時間を使って、転職することに成功していたのです。
そして、人がどんどん減っていったことで残された人たちの負担はその分増えていき、ますます転職しづらい状況に追い込まれていきました。
このように、会社や自分の環境にいつどんな変化が起こるかは誰も予想できません。
同じ会社にいながら、不正の中心にいた部署の人間と一部の経営層以外は、会社がこんな爆弾を抱えていたなんて誰も知らなかったわけですから。
ちなみにぼくは、この3つのグループのうち2と3の間ぐらいに該当していました。
1番忙しくなった人たちほどではありませんが、不正問題の対応業務に従事させられて忙しくしていました。
ただ、合間をぬえば少しずつでも転職活動を進められないこともなかったと思います。
でもそうはしませんでした。
その理由としては、1つは、数年間勤めてきた会社の危機に力を貸してあげたいという気持ちが少しはあったから。
もう1つは、こんな不祥事企業の中の人になることも滅多にない経験だろうから、この会社がどうなっていくのか少し様子を見てみようという好奇心?のようなものがあったからです。
しかし、そういう気持ちも今はもう無くなっていっています。
問題発覚後の会社側の従業員に対する不誠実な態度、どんどん明らかになっていく優良企業という表の顔の裏にあったどうしようもない企業文化に、ほとほと嫌気がさしたからです。
また、過去に不正を働いた一部の人間のケツを拭く作業にこれ以上自分の貴重な時間を費やすのもそろそろ限界に達してきました。
この不祥事の対応業務というのは、この会社が生き残ることだけが目的で、社会に対して何の価値も生み出さない作業です。
内容としても、誰にでもできる超単純作業(しかしその量はとても膨大)で、とても正社員がやるような仕事ではありませんが、事情が事情なのでぼくら社員が対応するしかないということです。
ぼくは付加価値を生み出して、誰かの役に立つための仕事がしたくてこの会社に入ったのに、誰にでもできる超単純作業をさせられる毎日。
こんなことをするために、命と等しい価値を持つ自分の時間を浪費したくありません。
そういうわけで、ぼくも転職活動を始めることにしました。
こんなにひどい状況になるまで転職活動を始めなかったのは自分の判断ミスだったなと今では感じています。
また、問題が発生する以前から、「キャリアのことを考えればぼくもいずれは転職を」と考えていた口でしたが、それでも実際に行動することはほとんどしていませんでした。その点に関しても、そして今回の初動の遅さについても、自分の行動力の不足を反省しています。
転職活動を始めたものの、問題への対応業務が残っているため自由に使える時間というのはやはり限られています。
そういうこともあって、ぼくは通常通りの生活を送れているときこそ転職活動の準備を進めておくことの大切さを痛感しています。
保険と同じですよね。何かあったときのための準備をしておくという意味で。
おそらく99%の会社ではこんなことは起こらないと思います。しかし、残りの1%に自分の会社が当てはまらない保証はどこにもないんです。ぼくがいる会社の社員も、自分の会社がこんなことになるなんて誰も予想できてなかったんですから。
会社が船だとしたら、転職は救命ボートです。
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