僕はiPad Pro(12.9インチ)を持っている(その前はiPad Airも持っていた)。
このタブレットにKindleアプリをインストールすれば、Amazonで買った電子書籍(Kindle書籍)を読むことができる。iPhoneなどのスマートフォンでも同様のことができる。
一方で、Kindle端末という電子書籍を読むことに特化した電子書籍リーダーというものも存在する。
存在するが、こんなものはiPadやスマートフォンがあればいらねーよと思っていた。
しかし、結局僕はKindle端末を買った。
そして、今では旅行先にすら持っていく必需品になっている。
この記事では、ミニマリストでもある僕がなぜわざわざKindle端末を買ったのか、iPadと比較しながらその理由を全て書こうと思う。
Kindle端末とは?
Kindle端末は、Amazonが販売する電子書籍リーダー。
同じくAmazonが販売する電子書籍である「Kindle書籍」を読むという機能に特化した端末。
その他の詳しい情報や、使い方、紙の本に対する長所などについてはこちらの記事を参照。
合わせて読みたい
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Kindle端末の長所と短所(iPadとの比較)
では、 Kindle端末とタブレット端末の違いは何か?
ここではそれを、Kindle端末の(タブレットと比較したときの)長所と短所という形で以下にまとめた。
長所
- ブルーライトフリー(寝る直前でも読書できる)
- フロントライトを搭載(目が疲れない)
- 内容をよく理解できる
- 読書スピードが上がる
- バッテリーの持ちが断然いい
短所
- マーカーとメモの入力にやや時間がかかる
- カラーの表示はできない
1つずつ詳しく見ていこう。
長所
ブルーライトフリー(寝る直前でも読書できる)
まずなんと言っても、これ。
この点が最大の長所だと言える。
タブレット端末が液晶スクリーンなのに対し、Kindle端末はE-inkという電子ペーパーを使ったスクリーンを搭載している。
これは、紙のような質感を追求したスクリーンである。
このE-inkの液晶との最大の違いの1つが、画面からブルーライトを発していないことだ。
【参考リンク】Kindle、kobo、7型タブレット…測ってわかった!電子書籍端末のブルーライト量に“大差” - 日経トレンディ
液晶画面から発せられるブルーライトが目を疲れさせる、さらには脳を覚醒させて睡眠の質を下げることは既に有名な話だ。
以下に、書籍『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』の一節を引用する。
ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究から、寝る前にブルーライトを発する機器を使うことの影響が調べられている。
夜にiPadで読書をした被験者は、紙の書籍を読んだ被験者に比べて寝つくまでに時間がかかり、眠気もあまり感じず、レム睡眠の時間も短かったという。また、メラトニン(眠るのに必要なホルモン)の分泌量も少なかった。(中略)しかも、どちらの被験者もしっかりと8時間の睡眠をとったにもかかわらず、iPadで読書した人のほうが翌日に疲れが残っていたという。
最高の脳と身体をつくる睡眠の技術〜電子機器編〜
■就寝90分前にはブルーライトを遮断する
身体が必要としている深い睡眠をとるには、少なくとも寝る90分前にはありとあらゆる画面の電源を切る必要がある。(中略) 睡眠よりテレビを優先して体調を崩しても、タレントは決して治療費を払ってくれはしない。
だからタブレット・スマホでは夜に読書はできない。
しかし、僕は夜に読書がしたい。
夜のゆったりとした時間に本を読みたいというのもあるし、寝る前の読書にはストレス軽減作用があることもわかっているからだ。
イギリスのサセックス大学の研究によると、読書をする人は、しない人に比べて、ストレスが68パーセントも低下するという結果が出ました。
アメリカのミネソタ大学の研究では、1日30分間、誰にも邪魔されない静かな場所で本を読む時間を確保することを推奨しています。
引用:ストレスを操るメンタル強化術 -メンタリストDaiGo
また、ぼくは夜眠れないときに哲学書や法律本などのお堅い本を読んで脳内に眠気を呼び起こすということをやっていた。
紙の本からタブレットでの電子書籍に切り替えたときはそれができなくなったが、Kindle端末を買ってからは問題なくこの寝落ち技が使えている。
とにかく、夜に電子書籍が読めるというのは本当に素晴らしい。
この点だけでKindleを買ってよかったと思うには充分なのですよ。
フロントライトを搭載(目が疲れない)
タブレット・スマホのスクリーンの明かりは、バックライト式といって、ライトの光がユーザーの目に直接入るような構造になっている。
光源が端末の1番背中側(バック)にあって、液晶などを透過した光が目に直接入るという感じ。
一方、Kindleはフロントライト式。
その名の通り、光源が画面のフロント(手前、正面)側にある。
E-inkの画面を正面から照らし、その反射した光がユーザーの目に入るようになっている。
直接目に入る光より、1度反射させた光の方が目に優しいので、Kindle端末の方が目が疲れにくい。
確かに、Kindleで読書しているときは、スマホを使いすぎたときに感じる目がしぱしぱした感じがない。
これは昼の読書はもちろん、夜に読書する場合にも嬉しいポイントだ。
ちなみにライトがついているということは、もちろん部屋の照明を落としても読書灯なしで本が読める。
Kindleから出る光は目にとても優しい。
寝落ちして読書灯を消し忘れるということも起こらない(Kindleは一定時間操作しなければ自動で画面が消灯する)
内容をよく理解しやすい(かもしれない)
タブレットで読書する場合と、Kindle(それと紙の本)で読書する場合では、脳の働き方が違うという説がある。
フロントライトの項で、タブレットは透過光デバイスなのに対し、Kindleは反射光デバイスだから目が疲れにくいという話をした。
透過光と反射光の違いはそれだけでなく、脳の働き方にも影響を与えるという説がある。
こんな経験はないだろうか?
PCで細心の注意を払って作成した文書も、紙でプリントアウトしてチェックしたら間違いが次々に出てきた、ということが。
以下の記事では、この違いを透過光と反射光という観点で説明している。
クルッグマンは被験者を2つのグループに分け、同じ映画を見せた。ただし、一方のグループにはスクリーンに投影した反射光として見せ、もう一方のグループには半透明スクリーンの裏から投射した透過光として見せたのである。
同じ映画を見たにもかかわらず、2つのグループの映画に対する反応は全く異なっていた。反射光グループは映画の内容を理性的に分析し批判的に捉えたのに対し、透過光グループは映画の内容を情緒的に捉え好き嫌いを問題にしたという。これは、反射光か透過光かの違いによって、見る人の脳内処理モードが、分析・批評モードか、パタン認識・くつろぎモードに別れることを意味する。
引用:プリントアウトした方が間違いに気づきやすいワケ - A Successful Failure
つまり、目に入るのが反射光(紙の文書やKindle)の場合、脳は分析・批評モードになり、透過光(タブレット)の場合はくつろぎモードになる。
だから、紙を見る時は脳が注意深くなり、文書の間違いに気づきやすい。
この説はまだ仮説の域を出ないが、確かに液晶画面を眺めているよりは、E-inkのディスプレイ(Kindle)を見ている方が落ち着いて冷静に文章を吟味できるような感覚はある。
より紙に近い形で文章を読みたければ、Kindleを買う価値はある。
読書スピードが上がる
タブレット・スマホに比べ、Kindleを使えば読書スピードが上がる。
タブレット・スマホの場合、読書の最中でもアプリの通知が次々に表示される。
▼こんな感じで読書中に画面上に通知が現れる
その度に集中が途切れるので、読書に全然没頭できない。
自分は通知が来ても気にしないという人もいるだろうが、それはただ集中が途切れている自覚がないだけかもしれない。
2017年にテキサス大学が行った、こんな実験がある。
研究チームは520人の学生に単純な作業を命じると同時に、目の前に電源を切ったスマホを置いたグループと、スマホを視界から遠ざけたグループの2つにわけ、どちらのほうが集中力が持続するかを確かめました。
結果は、スマホを近くに置いたグループの惨敗でした。完全にスマホの電源を切った状態だったにも関わらず、もうひとつのグループにくらべて、学生の集中力は半分に減ってしまったのです。
研究チームは言います。
「デジタルデバイスが近くにあるだけで、認知機能は大きく低下する。デバイスの存在を近くに感じた時点で、目の前の作業に使える認知のリソースは減ってしまうのだ」
引用:『最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)』
電源を切ったデバイスが近くにあるだけで認知機能が低下するのに、そのデバイス自体で読書するとなれば集中力の低下は計り知れない。
まったくの余談だが、ぼくが北海道に旅行に行っていたとき、特急スーパーおおぞらでSHOWROOM社長・前田裕二氏と偶然にも遭遇した。
2018年5月、あの石原さとみと交際が発覚した前田社長である(俺が遭遇したのは交際発覚前)。
その時、前田社長はKindleで読書をしていた。
で、前田社長の隣にいた人がぼくと同じように彼の存在に気付き、「なんでスマホとかでなく、Kindleで読んでるんですか?」と質問していた。
彼の返事もやはり、「通知とかこなくて集中できるからですね」と答えていた。(見ず知らずの人にもとても丁寧で紳士的だった)
石原さとみと付き合いたければ、電車では読書、読書はKindle、振る舞いは紳士であれ、ということのようだ。
バッテリーの持ちが断然いい
Kindleはタブレットやスマホのように毎日充電する必要はない。
公式のスペックでは、1日30分の利用で数週間と書かれている。
使用してる感じだと、1日2時間程度がっつり使っても1週間以上は持つイメージだ。
Kindleというデバイスが1つ増えても、毎日の充電の負担が増えることほぼ無い。
短所
マーカーとメモの入力にやや時間がかかる
E-inkディスプレイの特性上、液晶よりは画面の切り替わりやタッチの反応速度が劣るのはいなめない。
よって、マーカーを引いたり、メモを入力したりするのはタブレット・スマホより少し時間がかかる。
が、紙の本と比べれば、断然Kindleの方が使い勝手が良い。
紙の本だと1度引いたマーカーは基本的には消せないし、メモ(自分が感じたこと、考えたことなど)を書くにしてもスペースに限りがあるし、ペンを持ち歩く必要もある。
液晶よりやや動きは遅いが、充分なマーカー・メモ機能を備えていると言える。
マーカー・メモの付け方などの詳しい情報はこちらの記事を。
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カラーの表示はできない
マンガだと少し困るが、文字の本では全く問題ない。
デメリットではあるが、それよりメリットの方が明らかに勝っているのであまり気にならないというのが正直なところだ。
まとめ
長所
- ブルーライトフリー(寝る直前でも読書できる)
- フロントライトを搭載(目が疲れない)
- 内容をよく理解できる
- 読書スピードが上がる
- バッテリーの持ちが断然いい
短所
- マーカーとメモの入力にやや時間がかかる
- カラーの表示はできない
ぼくはミニマリスト的な考えの持ち主なのでモノはできるだけ増やしたく無い。
だけど、人生における読書の重要性を考えると、読書に特化した端末は絶対に必要だと思い、Kindleの購入に至った。
そして、Kindleを使っている今、その考えは間違いじゃなかったと実感している。
端末1つで何百、何千冊という本を持ち運べるという電子書籍のメリットを享受しながら、読書のみに集中でき、ブルーライトフリーで寝る直前にも本が読める。
これを買ってから、ぼくの1月当たりの読書量は1.5~2.0倍にまで増えた。
Kindleを中心にした読書環境は、ぼくにとってもはや手放すことができない人生の必需品だ。
Kindleについてさらに詳しい情報はこちらの記事で。
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