劣等感。
人間なら一度はこの感情に苦しめられたことがあると思います。
自らの失態に絶望し、周囲からは軽蔑の視線に晒され、恥辱にまみれるあの感覚。
劣等感にとらわれると、惨めで、無様で、心をえぐられたような心地がします。
まるで世界中が自分を馬鹿にしているかのように。
ぼくもことあるごとに劣等感を感じて生きてきました。
でも、あるたった1つの方法を身に付けたことで、これを克服することができました。
今日は、そのことについて書こうと思います。
劣等感を"ただの課題"に格下げする
コレだけ。
そして、めちゃくちゃ効果あります。
どういうことか?
「自分なんて何をやってもダメだ」と劣等感を感じているときって、その感情にどっぷり浸っていて、冷静に頭が働いてないんですよね。
「ダメだ、ダメだ、もうダメだ」という考えがずっとループしている状態。
例えば、合コンに行って、目の前の美女が隣にいる友人にだけ連絡先を聞いて自分には聞いてこなかったとします。
しかも、5回合コンして、5回とも。
こんなことが起これば、ほとんどの人は落ち込むと思います。
「なんで俺だけ連絡先聞かれないの?なんで?なんで?なんで?どうせ俺は女性と仲良くすることなんてできないんだ」
と。
そう思う気持ちはよくわかります。
ぼくなら1回聞かれなかっただけでも落ち込みますよ。
負の感情に溺れて、自分が悲劇の真っ只中にいることを信じて疑わない状態です。
「ダメだ、ダメだ、もうダメだ」という考えが頭から離れない。
だけど、冷静になって考えてみてください。
劣等感を感じている状態って、そういった「もうダメだ」っていう挫折感みたいなものを除外して事実だけを見ると、何かができなかった自分がそこにいるってだけなんですよね。
そして、できなかったということは、今の自分にはまだ何らかの課題が存在しているということ。
であれば、その課題を解決すればいい。
そして、今までできなかったことをできるようにしてやればいい。
冷静に考えればただそれだけのことなんです。
ですが、人間は感情が先行してしまい、そのような考えに至ることができません。
感情に流されるまま流され、苦しみ、その苦悩がただ過ぎ去るのを待つだけで、肝心の課題は放置したままです。
これではまた同じことで苦しむ。その繰り返しです。
ですが、そういった「ダメだ、ダメだ、もうダメだ」という思考を引き剥がしてみると、その根っこにあるのはただの課題なんです。
でも、そんな課題を抱えたダメな自分を見たくないから、劣等感という感情で頭をパニくらせて、そんな自分を見ないようにしているだけ。
ダメな自分なんて、極力見たくないですからね。
これを乗り越えて、劣等感をただの課題とみなすためのポイントは2つ。
- ダメな自分を受け入れることが合理的であることに気付く
- 劣等感を感じている自分を俯瞰する
ダメな自分を受け入れることが合理的であることに気付く
ダメな自分に直面すると、そんなものは見たくないと拒絶してしまう気持ちはわかります。
しかし、そうしてしまうと、ダメな自分と一緒に「乗り越えるべき課題」からも目をそらしてしまうことになります。
ダメな自分を受け入れるにはどうするか?
ここで大事なのは、「私」にとって「私」という存在は変えが効かないということ。
いくら自分がポンコツのように思えても、パソコンのように買い替えられないんです。
どんなに泣きわめいても、一生付き合っていくしかない。 選択の余地がないんです。
だとしたら、いくら「自分なんてダメだ」とふてくされたところでそれが時間の無駄でしかないことがわかりますよね?
そうやって自分で感情を膨らまして苦しむことも無駄ですし、課題も放置されてイイことが1つもない。
ここでベストセラーとなった『嫌われる勇気』で一躍有名になった心理学者・アドラーの言葉を引用します。
「大切なのは何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかである」
ぼくらは与えられたこの身体をどう使えば、より良い生活を手に入れるかを考えるしかありません。
どんなに「こんな自分は嫌だ」と叫んでも、「あいつは恵まれている」と嘆いても、その声は虚しく響いて消えるだけ。
変えの効かない私を、抱えている課題ごと受け入れて、それを1つ1つ解決していくことでしか僕らが幸せになれる道はありません。
そのことに気づけば、目をそらしたくなる「ダメな自分」を拒絶することが、いかに無駄な行為かわかるはずです。
感情の言いなりになるのはやめて、勇気を出してそろそろ前に進みませんか?
劣等感を感じている自分を俯瞰する
とはいえ、「ダメな自分」に直面した時というのは、押し寄せる感情の濁流に翻弄され、気づかぬうちに悲劇の主人公を熱演してしまうものです。
そこで有効なのが、自分を第三者的な目線で眺めるということ。
劣等感を感じたらすぐさま、「ああ、いま自分は劣等感を感じてるな」と自分の状況を実況します。まるで他人事のように。冷めた目で見つめるんです。
そして、「ということは、何か課題があるんだなあ。じゃあそれを粛々と解決するか。」と、冷静な判断を下します。
こんな感じで、他人事みたいに自分を俯瞰するとすごく楽になります。
ヒートアップした感情が冷めてくるんです。
感情に頭が支配されると、論理的な思考が困難になりますので、この思考回路を習慣づける必要があります。
まず、自分が苦しいと感じたら、何でいま苦しいのか自問自答する癖をつけましょう。
「こんな自分もう嫌だ。消えたい」
↓
「何で俺はいま、こんなに苦しんでるんだ?」
↓
「これは、そう、劣等感だ。いま俺は激しい劣等感を感じている」
↓
「劣等感を感じたとき、どうすればいいんだっけ?」
↓
「そうだ。劣等感はただの課題だ。俺が電話番号を聞かれないのは、俺に何らかの原因があるからだ。なら、それを取り除けばいいだけの話じゃないか。」
この思考法は劣等感以外でも使えますね。
すぐ「自分なんてダメだ」となってしまう人は、自分の感情に流されるまま、物事を深刻化しすぎなんです。劣等感を過大評価しすぎ。
「自分なんてダメだ」と感じたら、「深刻な劣等感」→「ただの課題」という感じで問題を矮小化しましょう。
ポイント
- 劣等感という感情に流されて自分を苦しめても、ただの苦しみ損。
- ダメな自分だろうと変えが効かないんだから自分でアップデートするしかない
- 劣等感に襲われたら自分自身を俯瞰しよう
- 劣等感の本質は、取り組むべき課題がただそこにあるだけ。それ以上でも、以下でもない。
いろいろ言いましたが、
劣等感=ただの課題
これだけ覚えてもらえればなんとかなります。
これだけでも、劣等感は克服したも同然ですが、
次回は、劣等感を解消するためのもっと体系的な記事を書こうと思います。
では。