結婚はするのが当たり前だと思っていた。
できるかどうか別として、それを目指すのが当たり前だと思っていた。
物心ついたときから、社会にそんな空気が漂っているのを何となく感じとっていた。
しかし、「ゼッタイ結婚しなきゃいけない」と思って生きていくと、それが人生の縛りになって、ときに大きなストレスを生み出すことがある。
結婚がしたくても出来なくて悩み苦しんだり、
結婚後に必要になる大きな出費や時間的コストのことを考えて、人生の選択肢が大きく狭めてしまったり。
また、「結婚するのが当たり前」という空気に従って、結婚のデメリットを考えずに家庭を作ってしまう人もいる。そしてそれが、後々の大きなトラブルの種になってしまう。
ぼくもそういう人間の1人だった。
当時、会社が嫌で嫌で吐くほど辞めたかった。
でも、結婚したり、子供は欲しいと思っていた。
生きていく上で、「結婚」は必要なものだと思っていた。
だけどそうなると、結婚や出産に必要な大きなお金を用意するために会社を辞められない。
仕事の苦痛をとるか、結婚ぜずに一生孤独で惨めな人生を送るか、という悩みの中でもがき苦しんでいた。
だけど、結局ぼくは会社を辞めた。
それは、「結婚は人生の必需品ではなく贅沢品である。だから、それをしなくても何の不都合もなく生きていけるし、余裕があればすればいい。」
ということに気付いたからだ。
この記事では、「結婚が人生の必需品ではない理由」と、「結婚との正しい向き合い方」について書いていく。
「結婚しなければならない」という社会からの圧力に苦しんでいる人が、少しでも楽に生きるための役に立ってくれたら、とても嬉しい。
- 結婚しなくても何の不都合もなく生きていける
- 「結婚しなきゃ生きていけない」という人は"自立"できていないだけ
- 正しい結婚の仕方 〜結婚は余裕がある人だけのための贅沢品〜
- まとめ 〜結婚は人生の必需品ではなく贅沢品だと知ったとき、生きるのが死ぬほど楽になった〜
結婚しなくても何の不都合もなく生きていける
「結婚したい」
「結婚しないといけない」
と言う人に、「なんで結婚したいの?」と聞くと、だいたいこういう答えが返ってくる。
- 結婚しないと寂しいし、周囲の視線が痛い
- 孫を期待している親に会わせる顔がない
- 子供がいないと老後が心配
どれもよく聞く答えだ。
だけど、これらのことは本当にそうなのだろうか。
「結婚しないと寂しい・周囲の視線が痛い」は回避可能
まずは1つ目の主張から。
こう思う気持ちはよくわかる。
結婚すると家庭のことが最優先になる人は多い。
だからこれまで遊んでくれていた友人も、結婚するとなかなか会ってくれなくなって寂しい思いをする、
というのはよく聞く話だ。
また、30~40代になっても結婚していないと、「結婚できない=何か問題のある人」「変人」「寂しい人・かわいそうな人」というレッテルを貼られる。
周りの目なんて気にするなと言うのは簡単だが、それを実行するのはなかなか難しい。
では、なぜこのような問題が起こってくるのか?
それは、「結婚が当たり前」という人たちのコミュニティーにあなたがいるからだ。
だからみんな結婚していって寂しくなるし、結婚していないと蔑んだ目で見られる。
とくに、保守的な考え方の人や新しいものに疎い人は、こういう価値観を持っていることが多い。
会社というコミュニティーでもよく見られる考え方じゃないだろうか。
例えば、ぼくの知り合いの20代女性がこんなことを言っていた。
その人は九州で働いていたのだが、職場にいる中年女性らから「早く結婚しなさい。じゃないと人生負け組になるよ」という意味のことを再三言われて、かなり気が滅入っていた。
また、別の女性は、まだ20代中盤だけど、「周りの友達がどんどん結婚していくから自分だけ寂しいし、ツラい」とノイローゼのようになっていた。あと1~2年の間に結婚できなかったら死ぬぐらいの雰囲気を漂わせていた。
これらは、結婚しないと寂しさを感じ、周りからも白い目で見られるコミュニティーの典型だろう。
だけど、また別の女性(27歳)はこう言っていた。
「周りの女友達は取り憑かれたように結婚結婚言ってるけど、なんでそんなに必死になってるのかわからない。私も結婚はしたい方だけど、まだやりたいこともあるし。仮に結婚しなかったとしても死ぬわけでもないのに、結婚しないと人生終わるぐらいの必死さを感じる」
その人とは前に住んでいたシェアハウスで知り合った。
シェアハウスというのは、傾向として、古い価値観にとらわれない人が集まってくる。(家をシェアするという行為が、古い価値観を持つ人には受け入れられないからかもしれない)
そのシェアハウスには30代の独身女性も何人かいたけど、彼女たちが結婚していないからといって、何か問題があるとか、何か劣っているという目で見る人はいなかった。
彼女たちもそのことに負い目を感じるなんてこともなく、のびのびと生きていた。むしろ、「結婚結婚……」と念仏のように口にしている人たちよりも人生を楽しんでいるようにすら見えた。
このコミュニティーの中では、結婚は当たり前ではない。
結婚してないからといって、変な目で見てくる人はいない。
結婚が当たり前じゃないから、結婚してない人も結構いて、普通に遊んでくれるから寂しくない。
前述の、結婚が当たり前のコミュニティーにいた女性たちも、こういうコミュニティーにいれば変に苦しめられることはなかったはずだ。
結婚しないことが寂しいのも、惨めに感じてしまうのも、コミュニティーの問題であり、そうではないコミュニティーに属すればそういう思いをする必要もない。
というわけで、結婚する予定はないけど結婚しないことによる寂しさ・周囲の視線に耐えられないという人はコミュニティーを変えるといい。
そう言うと、「そんなことのためにわざわざ会社を変えたり、引っ越ししたりしろというのか?」と胸ぐらをつかまれそうだ。
だけど、それに対する返答は「まあそれもアリだと思う」だ。
結婚するために転職したり引っ越ししたりする人は多い。
ぼくの男友達も結婚をするために、近々、東京から奥さんのいる福岡の会社に転職すると言っていた。
だったら、「結婚しない」ために職場や住む場所を変えるのも当然アリだろう。
「結婚する」ことと同じくらい「結婚しない」ことが人生に及ぼす影響も大きい。
まだまだ「結婚するのが当たり前」と思っている人が多数派なのも事実だ。
そういう古い常識からくる苦悩に一生付きまとわれることを考えると、これからの人生を快適に過ごすために転職・引っ越しすることは決してコスパの悪い話ではないだろう。
そういうぼくも仕事を辞めたうちの1人だ。
ただ、ぼくの場合は、
「会社を辞めたくて仕方がない」
→「でも会社員じゃなくなったら結婚できなくなるのでは?」
→「結婚したいから会社を辞められない」
→「でもコミュニティー変えれば結婚しなくても生きていけるのでは?」
→「結婚しなくていいなら会社を辞めようか」
→「会社を辞めて、コミュニティーを変えた」
という流れなので、少し事情は異なるが、まあ似たようなものだ。
そして、昔働いていた会社とは違って、今いるところでは結婚しなくても生きていけそうだなという実感も持てている。
また、別に職場を変えなくても、第2、第3の居場所としてそういうコミュニティーに属しておくだけでも随分と精神的には楽になれる。
精神的な逃げ道があるかないかでは大違いだ。
新しいコミュニティーの見つけ方については主題とかけ離れることになるのでここでは詳しく触れないが、インターネットをフル活用すべきなのは間違いない。
Google検索や、SNSを駆使し、自分に適したコミュニティーを見つけよう。
ぼくもそんな感じで、今の場所に住んでいる。
「孫を期待している親に会わせる顔がない」は間違っている
子供はおもちゃでもペットでもないので、「親が見たがっているから」という理由でつくるものではない。
「親が見たがっているから」ということ以外に子供をつくる理由がないのなら、つくるべきではない。
「子供がいないと老後が心配」はウソ
この主張にはいろいろ突っ込みどころがある。
まず、
介護させることを前提に子供をつくるの?
老後に養ってもらいたいから子供をつくるの?
という話だ。
他人に頼るなとは言わないけど、全面的に問題を丸投げするのは大人のやることじゃない。
それは自立した人間のやることじゃない。
それだけが子供を作った理由の全てじゃないとしても、そういう期待が少しでも含まれるべきじゃない。
その考えは子供の人生を縛ることにもなるし、「老後のために絶対結婚しないといけない」という思い込みで自分の人生を縛ることにもなる。
また、子供がいようがいまいが、老後に重要になってくるのは、
「定年後もストック(貯蓄)だけでなくフロー(収入)のある人間になること」と、
「健康寿命を延ばすこと」だ。
定年後のことは不確定要素が多い。
年金支給の額も時期もわからない。
自分が何歳まで生きるかもわからない。
そういう中で、定年までにいくら貯蓄すれば安心というラインは決められない。
いくら貯蓄があっても、それを切り崩していくだけの生活では常に不安がつきまとうことになる。
その不安を払拭するためには、会社を定年退職した後も、自分の生活費ぐらいは自分で稼げるようになっておく必要がある。
そして、定年後も稼ぎ続けるという意味でも、要介護にならないためという意味でも、健康寿命を延ばすことは当然必要である。
老後の不安を解消するためにやることは、子供を作ることではなく、この2点である。
(そして、子供を作らなければむしろ、この2つのことに投資できるお金も時間も増えることにもなる)
よって、子供を作らないことが、老後の心配に直結するということにはならない。
老後の不安を払拭することができるのは、自分自身しかいない。
「結婚しなきゃ生きていけない」という人は"自立"できていないだけ
ここまで、
「結婚は必要不可欠なものではない」
「しないならしないでも健やかに生きていけるよ」
ということを言ってきた。
だけど、そう言うと、
「独り身で生きていくのはツラいし、夫婦で支え合って生きていきたいから、やっぱり結婚しないで生きて行くなんて考えられない」
と言う人がいる。
もし本気でそう思ってるんなら、こういう人は逆に結婚しない方がいい。
こういう人は「支え合う」という言葉の意味を、自分の都合のいいように解釈している。
それが「依存」を目的とした結婚だ。
夫婦で支え合って生きていきたいと言う人は、今の自分に足りない何かを埋める手段として結婚を求めている。
経済的あるいは精神的に依存することを目的に結婚しようとしている人は多い。
もちろん、人に頼ることがいけないと言っているわけではない。
人は1人では生きていけない。
しかし、人に頼ることと人に依存することを履き違えている人は多い。
パートナーに依存すると、依存された方にはかなりの負担がかかる。
余裕がある時ならまだいいが、その余裕がなくなるとだんだんと関係は悪化し、やがて破綻することになる。
また、依存している方はパートナーがもしいなくなった時に、生きていけない人間になってしまう。
自分だけでなく、自分の子供や周囲の人まで不幸にしてしまう。
このあたりことは、明日公開予定の記事で詳しく書いている。
*公開しました
▶【結婚とはスーパーハイコストな趣味である】手を出す前に考えておくべきこと
自分のマイナスをゼロにするために結婚しようとしている人は要注意だ。
健全な夫婦関係、健全な家庭は、自立した人間同士が結婚することで初めて成立する。
結婚は自立した人同士がするもの。
つまり、もともと1人で生きていける人同士がするものだ。
正しい結婚の仕方 〜結婚は余裕がある人だけのための贅沢品〜
結婚とは、相手に依存するためにするものでもなく、支え合って生きていくためにするものでもない。
だとすれば、結婚とは誰が何のためにするものなのか?
結婚とは、自立した人、それも余裕のある人が、人生をより楽しくするために行うもの。
そして同時に、結婚は生存に必須ではない。
つまり、趣味の1つである。
それも、金と時間がやたらかかる趣味である。
つまり、贅沢品だ。
確かに、結婚には多くのメリットがある。
しかし、それと同時にかなり大きな負担も生じる。
経済的な負担はもちろん、時間的負担、精神的負担は甚大だ。
そして、結婚のメリットに目が眩んだり、結婚はしなければいけないものと勘違いした人たちが、その負担のことをよく考えずに結婚してしまうことがよくある。
その結果、負担に押しつぶされて、大きく疲弊し、憔悴してしまう人も多い。
ストレスから、パートナーと衝突してしまうこともある。
最悪の場合、パートナーを傷付けたり、子供を殺めてしまう人すら出てくる。
そういうことが起こらないようにするためにも、結婚の負担を吸収できるぐらいの、経済的余裕、時間的余裕、精神的余裕がある人だけが結婚するべきだ。
何も、過大な負担に耐えるという苦行のために結婚をする必要はない。
結婚は人生を充実させるためにするべきだ。
結婚だけならまだいいが、子供を産み育てる場合は特にこのことを考えなければならない。
「自分は、子供を幸せにするだけの自信と余裕はあるのか?」
この問いの返答に窮するようなら、まだその時期ではない。
このあたりの詳しい話や、どのくらい余裕があれば結婚してもいいのか?という話も、明日公開予定の記事に書いている。
*公開しました
▶【結婚とはスーパーハイコストな趣味である】手を出す前に考えておくべきこと
ぼくは、まだ結婚・育児できるほどの余裕がないのでする今は予定はない。
が、もし今後そのくらいの余裕が出てきて、その時にその機会があれば、結婚できればいいかなと思っている。
もちろん、できないならできなくてもいい。
まとめ 〜結婚は人生の必需品ではなく贅沢品だと知ったとき、生きるのが死ぬほど楽になった〜
- 人は結婚しなくても何の問題もなく生きていける
- 「結婚しなきゃ生きていけない」という人はむしろ結婚してはいけない
- 結婚は人生に余裕のある人が人生をより楽しむための贅沢品
この結論について、あなたはどう思っただろうか?
ぼくは、「結婚しなくても生きていけるんだ」と知って、かなり救われた気分になった。
今まで、結婚というものにかなり人生を縛られていた。
結婚という2文字が頭をかすめて、「死ぬほど嫌な会社を辞める」という決断に二の足を踏んでいた。
でも、結婚はしなくてもいいし、できるんだったらやればいい。
そう思えるようになっただけで、人生が死ぬほど楽になった。自由になった。
「結婚しなければならない」という社会からの圧力に苦しんでいる人も多いと思う。
この記事が、そんな人たちが少しでも楽に生きるための役に立ってくれたら、とても嬉しいです。
関連エントリー
▶アラサーだけどストレスで会社を辞めて、フリーランスになりました