最近、精神の具合がとても悪かった。
嫌なことが立て続けにあったからだろう。
嫌なこと、嫌な記憶というのは、考えないようにすればするほど、意識の上で膨張して存在感を増していく。
どうしたらこの不快な気分から抜け出せるのか、見当もつかない。
誰か、どうにかしてくれ。
そんなとき、気付いたら俺はAmazonのサイトを見ていた。
なんでアクセスしたのかは全く覚えてない。たぶん特に理由はない。
気付いたら、けっこう長いこと見続けていた。
そして、なんか知らんが、心がやけに落ち着いてきていることに気付いた。
なんだこれは?
どうしてこうなった?
たぶん、たぶんだが。
いま思い悩んでる事、それ以外のことに、それなりに夢中になれたから、悩みから心が離れて楽になれたんだと思う。
悩みの方に向いてる意識を、強制的に、だけど無理なく、ひっぺがす事ができた。
一旦意識をそらすことができると、これが不思議なもので、
「そういえばあの事で悩んでいたな」
ということを思い出しても、けっこう平気だったりする。
心のざわめきがぶり返す事は、あまりない。
これは脳の仕組みの問題だと思うが、人間の脳って本当にバカだと思う。
悩みがあるという事実は、心が楽になる前と後で何も変わっていないのに。
そして、Amazonというのはよくできたサイトで、(商品を買わせるために)こちらを夢中にさせてくれる仕組みが、そこかしこに実装されている。
Amazonというのは、テキトーに、無目的に、興味のおのむくままに、ただ眺めているだけでけっこう楽しい。
欲しいものが思いつかなくても、トップページに行けば過去の購入履歴から勝手に良さげな商品レコメンドしてくれる。
過去にAmazonで買ったマンガの新巻が出ようものなら、すかさずオススメしてくる。
欲しいものリストに入れた商品をとっかかりにして、Amazonサーフィンを始めるのもいいだろう。
レコメンド機能をたどっていけば、いくらでも回遊できる。
商品情報だけでなく、レビューも腐るほど書かれているので、コンテンツも無限。
興味があるもの、欲しいものがあれば、欲しいものリストに入れる。
買わなくても、それだけでいい。
ワクワクするような良い商品を見つけて、それをいつでも買える状態にする。
それだけで自分の人生を良い方向に持っていけたような気分になってくる。
よっぽど欲しいなら買ってもいい。
だけど、欲しいものリストにいれるだけでも結構満足する
それに衝動買いで買い物するとけっこう失敗する。
欲しいものリストに「コレいいな!」と思ったものをいれてあとでリストを見返してみると、「なんでこんなものが入ってるんだろう?」と思うことが結構ある。
だから欲しいものリストに一旦いれて、後で見返したときにそれでも欲しいと思ったものが、本当に欲しいものである確率が高い。そういうものだけ買えばよい。
レビューを見ていると面白いレビューを書いてる人、自分と感性が似てると感じる人、逆に意味不明なことを書いている人などがいる。
そういう気になる人がいたら、そのユーザー名をクリックすると、その人が過去に書いた商品レビューが出てくる。
その人が他にどんな商品を買って、どんなレビューを書いて、どんなものに満足して、
どんなものには文句を言っているのかというのも見ていて面白いし、参考になることだってある。そこから新たに買いたいもの、気になる商品を発掘できることもある。
Amazonサーフィンをしていると、
「そういえばアレを買わなくちゃいけなかったな」
ということを思い出すことがある
オレの場合、「そういえば洋服ブラシ買おうと思ってたんだ」と思い出した。
洋服ブラシを買うつもりだったが、どのブラシを買うのがいいのか、それを絞り込むために商品を比較したりレビューを読み込んだりするのが面倒で、後回しにしていた。
だけど不思議なもので、この時は「ついでだしやっとくか」という感じで、自然にこの面倒ごとに取り掛かることができる。
もともとAmazonにアクセスしていたので、自然にタスクにとりかかることができたのだ。
これが「やらなくてはいけないこと」として、何もしてないゼロの状態から始めようとした場合、「サイトにアクセスするのめんどくさい」「どれを買うべきか商品比較するのめんどくさい」「なくても死にはしないから後回しでもいいな」となって、全然取りかかれない。
不思議なものだ。
そしてやっぱり、人間の脳ってバカだ。
現実逃避してただけなのに、ムリなく、自然に、現実のタスクも消化できる。
現実逃避の1つの弱点として、「時間を無駄にした」と後悔してしまうことがあるが、Amazonサーフィンはそれすら克服している。
これぞ現実と地続きの現実逃避だ。
マンガや映画などに逃げるのは、「いかにも現実逃避」って感じがして、うしろめたくて、逃避に集中できない感じがある。
その点、Amazonサーフィンはそんなに現実逃避臭がないので、ナチュラルに逃避に没頭できる。
その塩梅が絶妙。
これぞ現実と地続きの現実逃避だ。
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