ノンストレス渡辺の研究日誌

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エクスプレッシブライティングの方法、例、を限界までわかりやすく解説してみた

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最近、

「恋人からフラれたショックが頭から離れない」

「上司へのイライラが収まらない」

「理由のない不安や憂鬱に襲われてつらい」

などの相談をよく受ける。

 

そんな人にはまず「エクスプレッシブライティング(Expressive Writing:筆記開示)」をすることを激しく勧めている。

 

エクスプレッシブライティングとは簡単に言うと、

いま自分が思っていることをただそのまま紙に書く

というそれだけの行為のこと。

 

だけど、その効果は絶大。

友達に思いっきりグチをこぼしたり悩みを相談しただけでも気分がスッキリした経験がある人は多いと思うが、仕組みはアレと同じ。

しかも、つらい気持ちが楽になるだけでなく、「頭が良くなる」「免疫力が上がる」なんて効果も確認されているからすごい。


この記事では、

  • 筆記開示の驚くべき効果
  • 筆記開示の具体的な方法や例文
  • 筆記開示を習慣化する方法

について限界まで詳しくまとめた。

 

 

エクスプレッシブライティング(筆記開示)とは?

1980年代に生まれた心理療法で、生みの親はジェームズ・ペネベーガー博士1

認知行動療法のテクニックとしてよく使われている。

心理療法というとかしこまった感じがするが、そんな大げさなものではない。

 

その方法はとてもシンプル。「自分が今思っていること、感じていることをただ書き出すだけ

 

「上司がムカついてしょうがない」など、愚痴や悩みは紙に書いたり、人に話すだけでも、気分がスッキリする。というのは感覚的にも理解できるんじゃないだろうか。

匿名のブログやTwitterなどでグチを吐き出したりする人もいると思うが、あれも立派な筆記開示の1つ。

 

で、この筆記開示をすることで、

「メンタル安定」「ストレス解消」「頭が良くなる」などの様々な効果が確認されている。

では次はその辺を詳しく見ていこう。

 

メリットや効果:幸福感が高まり、頭がよくなる

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エクスプレッシブライティングの最大の効果は、「幸福感が高まり、ネガティブな感情が減る」ことだ。

 

筆記開示の生みの親であるテキサス大学のジェームズ・ペネベーガー博士は次のように述べている1

数々の研究により、エクスプレッシブ・ライティングを行った被験者は幸福感が高まり、ネガティブな感情が減った。さらには、数週間から数ヶ月でうつや不安が改善し、ストレスが穏やかになる傾向も見られた

 

確かに、思っている事を書き出すと、それだけでネガティブな感情を頭の外に吐き出すことができる。

さらに、普段は目に見えない感情を、「文字」という形で可視化してあげることで、 「ああ、自分はこんな事を思っていたんだ」と 自分の気持ちを客観視できたり、気付いていなかった気持ちに気付ける。

この2つの作用により、つらい気持ちがかなり楽になるのを実感できる


これだけでもすごいが、筆記開示のメリットはこれだけにとどまらない。

数々の研究により以下のような効果が確認されている。 

  • 認知機能の向上・頭が良くなる
  • 嫌いな相手が気にならなくなる
  • 面接の通過率が上がる
  • 免疫力が向上する

 

これら、筆記開示の「すごすぎる効果の詳細」や、「なぜそんな効果が現れるのか」については、別記事(「エクスプレッシブライティングのすごすぎる効果を全部まとめてみた」)に書いているので参照してほしい。

 

具体的な方法と例

基本的な方法と例

1やり方

とにかく頭の中の思考と感情を書き出して吐き出す、それだけ。

内容は、ちょっとした愚痴でも、トラウマレベルの体験でも何でもオッケー。

 

「上司から小言を言われ、ムカついた」

「友達から無視されて、傷ついた」

などなど。

 

日によっては恨みごとのようになることもあるが、誰に見せるわけでもないので正直な気持ちを書くことが大事。

むしろ、それを中に溜め込んでいる方が問題あり。

感情というのは外に出すために存在してるのであって、抑圧するのは本当は不自然なことなので。

 

ツールは、「紙に書く」「スマホやPCに打ち込む」でも何でもオッケー。

 

実際にぼくが書いたものを載せておくので、参考までに。

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2時間

1日に少なくとも5分、できれば8~20分行う。

8分で効果があったという研究もあるが2 、1回20分で効果を測定している研究が多い1

また、多くの研究では4日間は続けないと効果が薄れるという結果が出ている。ので、まずは4日を目標に続けよう。

 

寝る前に5分を15週間続けて、ネガティブな性格(神経症的気質)が改善したという研究もある3 。が、こちらは他の介入行動も組み合わせている(5分の瞑想とか)ので参考程度に。

 

3タイミング

仕事が終わった直後や、寝る前など時間を決めて、1日を振り返るようにして今の気持ちを書き出すのが一般的1

 

個人的には日中に嫌なことや頭がモヤモヤして目の前の事に集中できないというタイミングでやってもいいと思う。頭がスッキリして作業に集中しやすくなる。

まあ、それをやる時間がないほど忙しい時もあるけど。そん時は夜にまとめてやるって感じ。

 

応用的なやり方

基本的なやり方で実践するだけでも効果は充分に得られるが、以下の点に気を使うとさらに効果が高まる

 

基本に慣れてきた頃に実践してみるとよい

  • 感情をより詳細に掘り下げる
  • 物語風に書いてみる
  • 昔書いたものを読み返してみる
  • 「今日のよかったこと」「価値観日記」「自分への慰め」なども書き添える

 

特に、昔書いたものを読み返すというのはかなり良くて、

1年前の悩みを読み返してみると「こんなことで悩んでたのか」と拍子抜けし、「じゃあいま悩んでることも半年、1年後にはどうでも良くなってるんだろうな」と気付けて、つらい感情が驚くほど楽になる。

 

その他のテクニックの詳細、「どんな効果があってなぜ効くのか」については、別記事(「エクスプレッシブライティングの効果をさらに爆上げするためのテクニック」)で詳しく解説する。

 

筆者がやっている具体的な方法

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使っているツールはiPad + アップルペンシル + ブルーライトカットメガネ

基本的には寝る前に10~20分程度行っている。

 

iPadとアップルペンシルを使っている理由は、

  • キーボード入力よりペンで書き出した方が感情が乗りやすい
  • 書いたものは見返したい、けど紙を保管するのはかさ張るからノートではなくiPad

という感じ。

紙の本は全部自炊(電子化)して処分した過去もあるほどで、紙のノートを持つのは抵抗があるわけですな。

 

だけど、寝る前にiPadのブルーライトを浴びるのは睡眠の質的に良くないので、ブルーライトを98%カットしてくれるこちらのメガネを装備している。

 

日中にどうしてもつらい感情が浮かんでしまった時は、その都度書き出す。

iPadが手元にない時は、スマホのメモか、紙に。

 

同じネガティブ思考が繰り返し起こる場合(反芻思考)は、2回目以降は紙に書き殴ってくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てている(これはネガティブダストビンというストレスコーピングのテクニックの1つでもある)

記録として保管するのは最初の1回目だけでいいだろうということで、それ以降は捨てていいという判断。ネガティブダストビンを併用することもできてストレス解消効果も高まっていい感じ。

 

習慣化させるための方法

いくら良いテクニックでも中々習慣化しないのが人の性。だって面倒くせーから。

というわけで習慣化のコツなどを書いてみる。

 

1使うツールを決めておく

いざやろうとした時に「何に書こうかな」などと迷っていたらたちまち書く気が失せる。

ノートでもスマホでもいいから筆記開示に使うツールは最初に決めておく。

 

迷って決められないなら、1冊筆記開示用のノートを買う。ノートが手元にないときの臨時のツールはスマホのメモ帳。

というルールでまず運用してみよう。

 

2やるメリットを頭に叩き込む

何かをやろうとした時に「めんどくさい」が優勢になるのは「それをやるメリットをうまくイメージできてない・忘れている」から。

 

やると「メンタルが安定する」「頭が良くなる」など、この記事でも紹介した︎効果・メリットを熟読し、頭に叩き込む。忘れたらまた読み返す。

 

また、心理学では「プライミング効果」と言って、「それをやることで得られるメリットを知っていると、知らない場合よりそのメリットの効果が高まる」という現象が確認されている。

そういう意味でも、行為のメリットを頭に叩き込んでおくメリットは大きい。

 

【関連記事】

▶︎エクスプレッシブライティングのすごすぎる効果を全部まとめてみた

 

3ゲーム感覚でやれるので楽しい

筆記開示のメリットを見るとわかるけど、「20分ぐらい自分の思ってることを書き出す」というただそれだけの行為で、「メンタルが強くなる」「頭が良くなる」ってすごくない?と思う。

 

コスパ良すぎでしょ。

 

なので自分は、筆記開示はRPGで言うところのレベル上げ感覚で楽しくやっている。

子供の頃、兄からドラクエのレベル上げを強制されることが多かったが、割と嫌いじゃなかった。

まあ筆記開示の場合は、MPや賢さ(などの特定のパラメーター)を上げるための修行って感じか。

 

現実では「やれば必ず成果が出るもの」というのは少ない中、この筆記開示はやるだけで効果が出るのですごい。RPGのレベル上げの感覚に本当に近い。ゲーミフィケーションしやすくてよい。

メンタルの強さとかうまく数値化できればもっとゲームっぽくていいんだろうけど、その辺は検討中。

 

 

 

参考文献

(1)

 

(2)

 

(3)

You have to follow through: Attaining behavioral change goals predicts volitional personality change

 

 

【関連記事】

▶︎エクスプレッシブライティングのすごすぎる効果を全部まとめてみた