ストレス社会に生きる皆さん、こんにちは。
ノンストレス渡辺です。
ストレスが身体に悪いということは皆さんもよく知っていると思います。
ストレスがたまると、気分が悪くなったり体調不良になったり。
もっと酷いと、うつ病などの精神疾患や、十二指腸潰瘍などを引き起こすこともあります。
しかし、一方で
「ストレスがなぜ身体に悪いのか?」
「ストレスがなぜこういった体調不良を引き起こすのか?」
ということを知っている人はあまりいません。
そこで今回は、これらの疑問を人気マンガ「ドラゴンボール」を例に解説します。
本来ならちょっと小難しい話ですが、「ドラゴンボール」に例えることでめちゃくちゃわかりやすくなりました。
このあたりのことを理解しておくと、日常生活からストレスを失くすのにも役立ちます。
ストレスはドラゴンボールの「界王拳」に似ている
ぼくら人間に備わっているストレス反応は、ドラゴンボールに出てくる界王拳という技に似ています。
界王拳とは何か?
主人公の孫悟空が使う技で、「ほんの少しの時間だけ、自分の戦闘能力を何倍にも高められる」という技です。
上の画像のように、界王拳を使うと筋肉に力がみなぎって戦闘力が一気に上昇します。
急に戦闘力が上がったので、敵として登場したベジータもビビっていますね。
しかし、界王拳には弱点もあります。
自分の戦闘力を無理に引き上げるので、身体にかなり大きな負担がかかります。
画像を見てもわかるように、界王拳を使った悟空も「カラダじゅうがいてえ…!!」と言ってます。身体もプルプルと震わせています。
下の画像では、ヤジロベーからちょっと身体を叩かれただけで、喘ぎ声をあげています。それだけ界王拳の負担は大きいのです。
*画像の出典は全てドラゴンボール20巻
実はストレスもこの界王拳とかなり似ています。
そもそも、ストレスという体の反応は「目の前の危険から、自分の身を守るため」に存在しています。
話は人間がまだ野生で生活していた頃。
日常生活では常に、ライオンなどの天敵に出くわす危険と隣り合わせでした。
そういう何らかの危険に出会うと人はストレスを感じます。
そして、ストレスは次の2つの行動のどちらかをとるように促してきます。
それは、「戦うか」「逃げるか」です。
目の前の危険が戦って勝てそうなものなら、力づくでそれを排除する。
逆に、勝ち目がなさそうなら、それから逃げることで自分の身を守ります。
そのため、ストレスは「闘争・逃走反応を引き起こす」という言い方をされます。
具体的には、まずストレス反応は人の感情に影響を与えます。
ストレス源に対する怒りは、人を闘争に駆り立てます。
逆に、ストレス源に対する不安や恐怖は、人を逃走へと駆り立てます。
そして、ここからが大事なのですが、闘争と逃走はどちらも肉体をフルに使う行為です。
だから、ストレス反応は身体能力を無理やりに引き上げるような働きもします。
戦って負けたら食われて死ぬし、逃走に失敗しても食われて死ぬので、生物としては当然の反応だと言えます。
ん?
身体能力を無理やりに引き上げる?
どこかで聞いたような。。。
そう、先ほどのドラゴンボールですね。
*出典『ドラゴンボール20巻』
地球にやってきたベジータは想定以上に強かった。戦って負ければ殺される。そのため、身体の無理は承知で界王拳を使って自分の戦闘力を何倍にも引き上げる覚悟をした悟空。
ストレスも界王拳と一緒で、人間の戦闘力を無理やり高めます。
例えば、ストレスはアドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンを血中に分泌させます。
これによって、
- 心拍数と血圧が上がり、気管支が広がってより多くの酸素を筋肉に送れるようになる
- アドレナリンは筋紡錘に結合し、筋肉の静止張力が上昇し、瞬時に動けるようになる
- 血小板同士の結合により血液が固まりやすくなり、傷つけられても出血しにくくなる
- 目の前の脅威への注意力を高めるため交感神経を興奮させる
しかし、使いすぎると身体に過剰な負担をかけてしまうのは、ストレス反応も界王拳も同じです。
- 心拍数と血圧の上昇 → 心臓への負担、心筋梗塞の原因に
- 出血を避けるため血液が固まりやすくなる → 血栓ができやすくなり、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)の原因に
- 交感神経の過剰な興奮 → 自律神経のバランスが乱れて胃酸が過剰分泌し、自らの胃壁を破壊する
- ストレスホルモンの過剰分泌 → 血管を伝って脳へと運ばれ、脳細胞を破壊する(うつ病などの精神疾患の原因とも言われている)
敵から身を守るための反応が仇となって、自らの身体を傷つけることになってしまいます。
参考記事:知らないとヤバい…ストレスがあなたの体の中で起こす悪事の数々【ストレス反応のしくみ】
僕らは日常生活で無意味に界王拳をしまっくている
そして、もう1つ問題なのはストレス反応に関して、人の進化が時代の変化に追いついていないということです。
困ったことに、人はいまだに野生にいた頃と同じストレス反応の仕組みを採用しています。
ぼくらの日常にもうライオンはいません。
いるのは、目も合わせたくない上司や先輩社員です。
だけど、彼らが目の前に現れた時、ぼくらの身体の中ではライオンに会った時と同じストレス反応が起こっています。
上司にイラついたとき、または上司に恐れを抱いているとき、ぼくらは自動的に界王拳によって戦闘力を高めています。
でも、だからといって、その戦闘力で上司をボコボコにしたり、勤務時間中に全速力で逃げ出すわけにもいきません。
もう今は野生にいた頃とは時代が違うのです。
だから、いつまで経っても目の前から脅威が消えないので、ストレス反応はOFFになりません。
上司を見るたびに、ストレス反応のスイッチが入り続けます。
上司を亡き者にするか、上司から完全に逃げ切るまで、界王拳をやめることはできません。
これは自分の意志ではどうしようもできない。完全に体内システムの欠陥です。
でも、人間の進化が追いついていないのでどうしようもありません。
こうしてぼくらは、使うあてのない戦闘力のために界王拳をし続けています。
そして、その代償として自分の体を自ら傷つけている。
これが、いま「ストレスが体に悪い」と言われている理由です。
はたから見るととてもマヌケのようですが、これが事実です。
人間の身体の仕組みと、現代人のワークスタイル・ライフスタイルのねじれによって生じてしまった不幸です。
まとめ 「ストレス=界王拳」
ストレスはもともと人間の生存率を上げるために必要な機能でした。
しかし、その仕組みが時代の変化に追いついていない。
それによって、自分で自分の首を締めているような状況になっています。
それが今のストレス社会の実態です。
人間の身体の仕組みを変えることはできませんので、自分の行動を変えることでストレス対策をしていくしかありません。
当ブログでは、現代人に必要なストレス対策について今後も発信していきます。
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